現代人は、自然への興味を失いつつあります。温暖化の影響が年々深刻さを増しているにもかかわらず、いざ環境問題の話となると、まるで他人事のような顔をします。
私の考えでは、移動の自由が人間を自然から切り離しています。現代人は、生まれた土地に暮らし続けることが少なくなったために、自然の変化に気付かなくなったのです。
土地に親しみ、一つの景色を見慣れていれば、その変化に気付くこともできるでしょう。しかし、自然を知らない人間は、変化に気付くことができません。そして、変化を認識することができなければ、その対策を行うことなどできるはずもないのです。
また、環境問題と人口問題には密接なかかわりがあります。人口問題を解決することなしに、環境問題を解決することはできません。なぜならば、人類が自然を破壊しているのだとすれば、人口が多いほど環境破壊も激しくなるからです。
ところが世の中には、人口問題の重要性を理解しながら、その解決は不可能だ、と断言する人がいます。彼はまた、戦争以外に人口を減らす方法はない、と言うかもしれません。
しかし、それは間違っています。なぜなら、人口問題を解決した社会が、人類の歴史の中に存在するからです。
それは江戸時代です。江戸時代の日本の人口は、減少も増加もせずほぼ一定で、非常に安定した社会が実現されていました。人類が実現すべき未来は、江戸時代の中にあります。
温暖化については「地球温暖化について」の中で詳しく議論しています。また「地球温暖化と経済活動」「サンマについて」にも環境問題の考察が含まれています。
科学者には、気候変動が事実起きていること、それが人間社会にとって重大な問題であることを、社会に示す義務があります。「科学者の責任」「環境保護」は、そういった観点から書かれています。