I. 歴史論集

I. 歴史論集

軍隊の強さ

1 近代国家の擁する国民軍が強力なのは、兵隊が死を厭わないからである。たとえば、傭兵は金のために戦う。ゆえに、自分の命をかけてまで戦おうとは思わない。だから、国民軍と傭兵部隊が戦えば、必ず国民軍が勝つ。ナポレオン率いるフランス軍が強かったのは、彼らが国民軍であるのに対して、敵は傭兵部隊だったからであ...
歴史軍事
I. 歴史論集

日本的近代

近代とは何か。近代は、工業化と資本主義、それに対抗する思想としての共産主義など、様々な要素によって特徴づけられる。 共産主義が歴史に現れるに際して、日本は重要な役割を果たした。日露戦争における日本の勝利がロシア革命を引き起こし、ロシア帝室の権威を低下させた。その後、第二革命によってロシア帝国は滅ぼさ...
仏教思想歴史
I. 歴史論集

法治主義

1 法治主義とは、暴力による支配である。法を破った者を暴力によって処罰することで、法の下での秩序が保たれる。対外的にはこれが、覇権主義の形をとる。国際問題を解決するために暴力を用いるということは、結局、国内における法治主義を対外関係にまで延長したものに他ならない。法治国家にとって、戦争は内政の延長で...
思想政治
I. 歴史論集

明治憲法と日本の国体

1 明治憲法は立憲君主制を謳っていると言われるが、私には専制君主制であるように見える。なぜなら、陸海軍を統帥するのは天皇であると、はっきり規定されているからである。 しかし、実際に天皇が憲法どおりの振る舞いをしたことはなかった。おそらく維新の元勲が生きていたころには、阿吽の呼吸で国政が行われていたの...
天皇歴史
I. 歴史論集

ナチスとヴェルサイユ

1 ナチス政権が生まれたのは、ドイツ人が特別に残虐だったからではない。英米仏の愚かさと、ヴェルサイユ条約がヒトラーを生んだのである。 基本的には、ナチズムは間違っていなかった。不条理な国際体制に対する反発という意味でも、強力な国家の建設という意味でも、決して間違いではない。ただ、我々に理解できないの...
歴史
I. 歴史論集

アメリカの参戦

1 どうしてアメリカは第二次大戦に参加したのか、ということは、現代史における一つの謎である。当時アメリカは中立を宣言しており、戦争に参加する理由はないように思えた。ナチスドイツとの関係も悪くはなく、ヒトラーはむしろアメリカとの戦争を避けようとしていた。また、アメリカ国民も戦争に反対しており、自国が中...
大東亜戦争歴史
I. 歴史論集

大東亜戦争の真意

1 大東亜戦争は、日本の侵略戦争だったと考える向きがある。たとえば、日本軍はビルマを占領し、日本による支配体制を確立しようとした。それが、日本の植民地支配の意図を証明している、という意見がありうるだろう。 しかし、もしも日本軍が、ビルマからイギリス軍を排除した後に、ビルマの防衛態勢を整えなかったとし...
大東亜戦争歴史
I. 歴史論集

歴史とは何か

1 歴史に「もしも」は禁物だとよく言われるが、それは間違いである。ある個人や組織が、なぜその行為を行ったのか、ということは、もしもその行為を行わなかったならばどうなっていたか、ということを考えることなしに、理解することはできない。 たとえば、一九一〇年に日本は韓国を併合したが、それはどうしてだろうか...
大東亜戦争歴史
I. 歴史論集

平和の利益

1 戦争が続いている状態よりも、平和な状態のほうが、社会全体の利益は増えるはずである。 たとえば、いま、コンゴで内戦が続いている。コンゴには豊富な鉱物資源があり、多国籍資本がその開発を行っている。しかし、鉱物を輸出することで得られる外貨は、すべて武装勢力の手に渡ってしまう。それが、コンゴの混乱の原因...
政治軍事
I. 歴史論集

中国を封じ込める

1 チベットの存在には、地政学上の重要性がある。チベットの独立が達成されれば、日本とともに、西と東から中国を圧迫することができる。また、北にはモンゴル、南には ASEAN があり、これで包囲網は完成する。 我々は、チベットの独立を達成するために、台湾政府を利用するべきである。というのも、少しややこし...
政治満洲