記事紹介7:原発事故と震災

福島原発の事故は、たしかに悲劇的な出来事でした。しかし、それを理由に原子力技術そのものを否定することはできません。原子力の問題は、単に技術に関する問題だと思います。哲学とか思想とか、難しいことを言う人はたくさんいますが、それほど複雑な問題ではありません。

人間の技術には二つの傾向があります。一つは効率を求める傾向。もう一つは安全を求める傾向です。安全を犠牲にするほど効率はよくなり、逆に安全性を確保しようとすれば、効率は下がります。効率と安全の両方を同時に実現するためにはどうすればよいか、という問題が、技術の核心だと言えるでしょう。

現在の原子力技術は効率だけを求めています。ゆえに、安全性を確保するための技術開発が必要です。それは根本的な技術革新を必要とするでしょう。


我々の核技術はまだ、どうすればプルトニウムを有効に利用できるか、という問題に答えを出していません。その答えを見つけるまで、技術の発展を止めることはできません。そして、そのような技術の探求は、安全性と効率を両立させる方向で進めなければなりません。

ゆえに、誰かが技術発展のかじ取りをする必要があります。それは本来、政治が担うべき役割ですが、現在の日本の政治には期待できそうもありません。我々はこれから、新時代の政治家を育成してゆかねばならないでしょう。

原子力に関する記事は少ないですが、「原子力の安全な利用について」「復興と経済」「サンマについて」が参考になると思います。特に一つめの論考では、福島原発一号機のデブリの爆破を提案しています。重要なアイデアなので、是非読んでみてください。

また、これらの論考は、東日本大震災に対する私の思いを表現したものでもあります。あの震災について考えたい人にも、読んでほしいと思います。

最後に、量子力学や原子論の基礎に関しては「原子論批判」の中で詳細な批判を行っています。興味のある方はご一読ください。

タイトルとURLをコピーしました