新型ウイルスについて(3)

新型コロナウイルスの再感染が最近話題になっている。

今回のウイルスは、一度治癒した者も再び罹患することがあるのだという。それは、抗体が十分に機能しないせいだとか、ウイルスが変異しているせいだとか言われている。ウイルスの性質がまだよく分かっていないので、様々な憶測が飛び交っているようである。

おそらく新型ウイルスの拡大期には、そういうこともあるのだろう。

よく言われることだが、風邪という病気は存在しない。風邪の原因とされるウイルスは複数あり、その中のどれかにかかると風邪の症状が出る。どれだけのウイルスがあるのかは知らないが、たくさんあると思えばいい。

というのも、ウイルスは進化のスピードが速いので、一年も経つと別のものに変化してしまう。なので、ウイルスの種類を数えるということが、そもそも不可能なのである。しかし、元の形が同じならば、多少の変化はあっても、大体同じものだと認識することができる。

それは、我々人間が認識するというよりは、我々の免疫系が認識するわけである。インフルエンザのウイルスは毎年変化するが、前の年のものとかなり似ている。そのため、それまでに獲得した免疫によって、対処できる場合もある。つまり、あるウイルスが新型かどうかということは、免疫がどれだけ反応するか、という程度の違いであると言える。

この世には、同じウイルスは二つと存在しない。どのウイルスも少しずつ違っている。その中で、一つの免疫で対処できるものを同じウイルスと呼び、一つの免疫では対処できないものを、別のウイルスと呼ぶ。

したがって、誰の免疫にも反応しないウイルスは、新型のウイルスということになる。つまり、今までに存在したウイルスと比べると、その変異の仕方が大きい、ということである。

どうして新型のウイルスが生じるのかは分からない。何かきっかけがあるのか、条件があるのか、分かっていない。

しかし、時々そういうものが生じる。そして、それは今までに何度も起きてきたことである。人類の歴史を通して、我々が新型のウイルスと出会ったことは、一度や二度ではないだろう。なぜならば、今ある風邪のウイルスも、はじめは全て新型ウイルスだったからである。

だから、今回起きたような大流行は、歴史的に見れば珍しいことではない。そして、そのようにして現れたウイルスは、やがて風邪ウイルスの一つとして、人類社会に溶け込んでいったわけである。

というのも、もしもそうでなかったとしたら、人類はすでに滅亡しているはずだからである。また、このようなウイルスが、自然に消滅するとは考えられない。そうではなく、それは人間の免疫系と共存し、人間社会の中で居場所を与えられたと考えるべきである。

したがって、今回のコロナウイルスも、いずれ人間社会に溶け込んで、風邪ウイルスの一つとして、人類と共存してゆく運命にあると言える。

現在はその拡大期である。拡大期は感染のペースが速いので、ウイルスの変異も速くなり、色々と不可思議な現象が起きることもあるだろう。だが、人類の大部分がこのウイルスに感染し、安定期に入ったならば、ウイルスの性質も安定するはずである。

ウイルスを抑え込むなど笑止千万である。人間の力で抑え込もうとするのではなく、彼らがおとなしくなるまで待つべきである。ウイルスの力に逆らうのではなく、それを受け流すほうが、はるかに効率がよい。

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