ウイルスの生態系

現在は、世界中の国で海外渡航が禁止されており、それぞれの国の中で、ウイルスは閉じ込められている状態である。このような状況では、ウイルスのガラパゴス化が進み、それぞれのウイルスは独自に進化することになる。

北海道で感染のピークが二回あったということは、一度目のウイルスで作られた抗体が、二度目のウイルスには効かなかったことを意味している。一度目が武漢のウイルスで、二度目がヨーロッパのウイルスだとするならば、これら二つの地域のウイルスは、それぞれ別の種類のウイルスだと考えるべきである。

日本のウイルスに対して作られた抗体は、ロシアのウイルスには通用せず、ロシアのウイルスで作られた抗体は、アメリカのウイルスには通用しない。つまり、一つの新型ウイルスの発生に伴って、二つ目、三つ目の新型ウイルスが発生しつつあるわけである。

これは、ウイルスの戦国時代である。様々な国のウイルス同士が、生き残りをかけた競争を繰り広げている。より広い地域に感染を拡大させたウイルスが、より長く生き残ることになるだろう。そのような競争が進んだ結果、最終的に世界中を支配下におさめることになるのは、どの地域発祥のウイルスなのか、というウイルス同士のバトルロイヤルが繰り広げられているのである。

これは、人間の体を競技場にして、ウイルスがオリンピックをしているようなものである。ウイルスはウイルス同士で戦っているのであって、人間と戦っているわけではない。だから人間も、人間の仕事に専念すべきである。

我々はこれまで野生動物をさんざん殺してきたわけだから、ウイルスにも人間を殺す権利はあるのだろう。ウイルスにとっては、人間は自然環境の一部に過ぎない。ゆえに、人間を殺すことは、環境破壊の一種だと言える。

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