記事紹介5:東亜連盟

私は法華経の信者です。また、私は石原莞爾の信奉者であり、東亜連盟の支持者です。私は、満洲国建国の理念を信じています。

満洲国をめぐる様々な議論を整理することは、不可能かもしれません。しかし歴史的な事実として、その実態を浮かび上がらせることはできます。ですが、その道のりは平坦ではありません。

我々はまず、中国と日本の起源にさかのぼり、それぞれの地域が、アジア史の中で占める位置を確認し直さなければなりません。それは東アジア全体の歴史を見直すことであり、朝鮮人やモンゴル人、満洲人など、さまざまな民族の関わりと歴史を総ざらいすることになります。ここに示されたリンクを巡ることは、滔々たる大河をさかのぼる旅にも似ているかもしれません。


まず中国の起源については「中国語について」「北京語と漢文」「遊牧民の世界史」などで考察されます。中国の歴史は漢字の発明と共に始まります。そこに注目したのが前二者で、遊牧民との関係に注目して、中国の歴史を説き起こしたのが三つ目の論考です。

朝鮮半島と日本の関わりについては、「歴史とは何か」「韓国併合」「朝鮮半島」で議論しています。前二者は近代を扱っていますが、「朝鮮半島」は有史以来の両国関係を俯瞰したものです。ここではまた、秀吉の朝鮮出兵と満洲族の関係についても、簡単に言及されます。

大清国は、近代以前と以後の中国をつなぐ重要な国家ですが、その特徴は十分に理解されているとは言えません。大清国は、何よりもまず満洲人の国家であり、中国人の国家ではありません。この点を理解していないと、近代以降の東アジア史を理解することは不可能になります。「大清国について」「中国を封じ込める」は、そのような清朝の特徴と、それを理解することで得られる政治的な展望を語ったものです。「倭国と隋の外交関係」は、日中関係を仏教の観点から考察したものですが、いわゆる夷狄と中華の関係にも焦点が当てられます。

日本の起源について、また日中関係史については別の記事で紹介するつもりですが、上述の「中国語について」「倭国と隋の外交関係」や「日本人の道徳」などが参考になると思います。

最後に「中国の近代化」「満洲事変の軍事思想」「満洲事変について」は、満洲事変の経緯と、その歴史的な価値を明らかにするものです。この事件を理解するためには、まず、それ以前の中国の状況を理解する必要があります。そして、その前後で中国がどう変化したのか、ということを確認することで、はじめて正しい評価を下すことができます。


満洲事変の価値は、それが、中国に主体的な市民を作り出したという点にあります。圧制に対して声をあげ、自分たちの権利を主張することができる、政治主体としての国民の創造が、満洲事変の目的でした。それまでの中国人民には、声を上げる方法がありませんでした。自分たちも政治的な主張を行いうるという認識が、そもそも存在しなかったのです。その、声なき市民たちに声を与えるために、国民という概念が必要とされました。もちろんそれは理念にすぎず、日本からやってきた軍人や官僚に接することで、満洲国民の理想は失望に変わったのかもしれません。しかし、そのような理想を人々に持たせることができたということが、この事件の歴史的な価値なのです。

中国には二種類の人間がいると言われています。読書人階級と、それ以外です。読書人とは、漢字が読めるということです。そして、漢字の使える人間でなければ、自分の意見を表明することはできません。つまり過去の中国では、ほんの一部の人間にしか、政治に関わる権利は与えられていなかったのです。この点を理解しないと、当時の中国人民の置かれていた状況が、いかに過酷なものだったか、分からないと思います。

満洲事変の首謀者である石原莞爾は、のちに東亜連盟という団体を立ち上げます。それは東亜諸国の団結を呼びかけ、欧米勢力に対抗することを目的としたものでした。この連盟の理想を現在の世界によみがえらせ、そこから将来の展望を引き出そうとしたのが「多民族国家」という論考です。また、「万里の長城」もご一読ください。大東亜戦争と日本の歴史、および国体については、また別の記事にまとめます。

この分野に関しては、岡田英弘氏の著作に多くを学ばせていただきました。感謝を申し上げるとともに、ご冥福をお祈りします。藤原書店から氏の著作集が出版されています。是非参考にしてください。

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