真珠湾奇襲

1

奇襲攻撃は兵法の常です。奇襲を仕掛けてきたことに関して、敵に文句をつけるのは筋違いです。味方が奇襲を受けたことをこそ、恥じるべきです。真珠湾攻撃に関して言えば、非難されるべきはアメリカ政府でしょう。

当時のワシントンは、普段から日本大使館の無線通信を傍受し、その内容を把握していました。したがって、日本政府に戦端を開く意思があることも、事前に知っていたと考えられます。にもかかわらず、アメリカ政府は、その情報を現地の将兵に伝えませんでした。

もしも、フランクリン・ルーズベルト大統領が、アメリカ軍のすべての部隊に、日米開戦の事実を伝えていたならば、真珠湾への奇襲は防げたかもしれません。

では、どうして彼は、その情報を秘密にしておいたのでしょうか。

どうしてアメリカは、日本よりも先に宣戦を布告しなかったのでしょうか。

もしも大統領が、あえてその情報を漏らさなかったのだとすれば、彼は、世論を操作するために、あるいは他の何らかの目的のために、軍人を見殺しにするつもりだったことになります。また、もしもあの戦争の目的が、アメリカ国民の生命を守ることだったのだとすれば、アメリカ軍の兵士は、アメリカ国民ではなかった、ということになります。

一方で、もしも大統領が、その情報をすぐにでも全軍に伝えなければならない、ということに気づいていなかったのだとすれば、彼はただの愚か者です。この場合、その後の彼の行動には、弁明の余地はありません。彼は、自分の失敗を隠すために、日本人を抹殺しようとしたのでしょう。

したがってルーズベルトは、卑怯者であったか、さもなければ愚か者であった、ということになります。日米開戦の際に卑劣な振る舞いをしたのは、アメリカ政府であって、日本政府ではありません。

1.1

ヒトラーがポーランドに侵攻するとき、「ポーランド人がドイツのラジオ局を襲撃した」ことを、その口実としました。しかし、それはドイツ政府のでっち上げであり、実際には一人の犠牲者も出ていなかったのです。

一方で、ルーズベルトは、戦争の口実を作るためだけに、二千人以上のアメリカ人を犠牲にしました。一国の指導者として、どちらがより優れていたのか、明らかではないでしょうか。

アメリカ政府は、諜報活動によって手に入れた情報を、有効に活用する術を知りませんでした。彼らはそれを、自国民を殺すために用いたのです。

2

一般的に言って、武装していない相手への攻撃は道義にもとります。しかし、武装した相手への奇襲攻撃は間違いとは言えません。

兵隊はマシンガンを持っています。一体マシンガンには、人を殺す以外の、他のいかなる用途で使われることが想定されているのでしょうか。

マシンガンは、人を殺すための道具です。よって、兵隊がマシンガンを持っているのは、人を殺すためです。ゆえに、軍隊は、人を殺すために存在します。それは、他国の人間を殺すために存在しています。

ある国が軍隊を持っているということは、その国に、他国に対する敵意があることを証明しています。そのような国には、奇襲攻撃に対して文句を言う権利はありません。

軍隊とは、その存在自体が不吉なものです。

タイトルとURLをコピーしました