I. 反知性主義

I. 反知性主義

中論

反復可能性は科学の本質ではない。なぜならば、反復可能な実験など存在しないからである。我々は、ある程度条件の揃った実験を、近似的に同一の条件下で行われたものとみなしているだけである。 科学の本質は因果律である。それは、同一の原因から同一の結果が生じる、という原則であり、その原則を信じているからこそ、実...
仏教科学
I. 反知性主義

障害と悪

1  障害を持つことはよくないことである。不幸なことである。病気になることはよくないことである。不幸なことである。よくないことをよいと言うべきではない。悪くないことを悪いと言うべきではない。 障害者が生きていることは悪いことではない。障害者を殺すことは悪いことである。悪いことをすることが悪いことであ...
宗教社会
I. 反知性主義

万里の長城

現在の中国は南北朝時代である。清朝から禅定を受けた、中華の正統王朝たる中華民国は南方の台湾に依り、簒奪者たる北朝の中国共産党と対立している。このような状況で、日本政府がとるべき立場はいかなるものか。我々はどちらの王朝に協力するべきか。  アジアの安定のために我々が心掛けるべきことは、漢民族の境界を定...
中国政治
I. 反知性主義

プロパガンダ

福島産の作物に対する風評被害は、いまも続いている。科学的な調査によって安全性は保障されているにもかかわらず、それはなかなか認知されない。そこで調査の結果をどれだけ丁寧に説明しても、大した効果はない。 私は、次のような方法が有効ではないかと考える。たとえば、映画を作る。テーマは何でもよく、ヒーローアク...
仏教社会
I. 反知性主義

教育とは何か

私にとって教育とは、階段から突き落とすことである。 論語に「これを如何せん、これを如何せんと言わざるものは、我これを如何ともすること無きのみ」という言葉がある。自分で問題意識を持たない人間は、教育のしようがない、ということである。だから教育を始めるためには、まず問題意識を持たせる必要がある。そのため...
仏教思想
I. 反知性主義

世代論

団塊の世代の親は復員兵である。戦場で戦っていた兵隊たちが日本に帰ってきて、子供を作った。それが団塊の世代である。実際に戦地で戦ってきた人たちには、どこか明るさがある。あっけらかんとしていて、楽しそうに戦争の話をすることもある。 一方で、戦争に行き損ねた人たち、つまり、終戦時に十代の学生だったような人...
社会
I. 反知性主義

西と東

東北の山は貧しい。西日本の山に入ると、頭の上から鳥の声が聞こえてくる。山の中は生き物の音に満ちている。一方で、東北の山は物音一つしない。ときどき遠くから鳥の声がするくらいで、静かなものである。日本の自然は、西と東ではだいぶ違う。同じ国だとは思えないくらいである。 私は一時期、浜松にいたことがある。浜...
文化
I. 反知性主義

仙台市の観光資源

1  戊辰戦争のとき、仙台藩は奥羽越列藩同盟の盟主として戦いに参加し、千人以上の戦死者を出した。彼らの魂を弔うための石碑が、伊達家の霊廟である瑞鳳殿の境内に、いまも立っている。瑞鳳殿には外国の観光客もよく来ているようだが、彼らがどれだけその場所を理解できているのか、はなはだ心もとない。戊辰戦争の弔魂...
歴史
I. 反知性主義

植民地

1  太平洋戦争は明らかに日本の勝ちである。それをアメリカの勝ちだと思いこんでいる人間が多いのは、日本が降伏したから日本の負けなのだ、と単純に考えているせいだろう。 たとえば将棋であれば、どちらが勝ったのかはひと目で分かる。王将を取ったほうが勝ちなのだから、これは分かりやすい。しかし囲碁の勝負ならば...
歴史
I. 反知性主義

反知性主義

アメリカの歴史を決定しているのは、二種類の勢力の争いである。一つは旧世界、ヨーロッパの伝統をアメリカに持ち込もうとする人々である。もう一つは、ヨーロッパ的な伝統から抜け出して、本当の意味での新世界を実現しようとする人々である。 基本的には、前者が後者を圧倒している。ある人々は、旧世界で実現できなかっ...
歴史