天誅

 嘘つきが引き起こした問題を、話し合いで解決することはできない。こちらがどれだけ真面目に話をしても、相手が平気で嘘をつくのであれば、いくら話し合いを続けても時間の無駄である。
 そうした問題を解決するためには、話し合い以外の手段に訴えなければならない。むろん、直接的でない方法で問題を処理できるのであれば、それが一番よいが、他に方法がない場合には仕方がない。

 私が念頭に置いているのは、政治の問題である。政治家が嘘をつく場合、尋常の方法ではどうにもならないこともある。ゆえに、政治の場から暴力の可能性を排除してはならない。それは政治を不健全なものにするだろう。
 人の命は何よりも重い、などということがあるだろうか。もしも、一国の宰相が平気で嘘をつくならば、彼の命は羽毛よりも軽いと理解するべきである。


 ここに起き上がり小法師がある。それをみんなで小突き回し、引きずり回して、なかなか倒れないなどとやっているが、そういうおもちゃなのだから仕方がない。
 そんなくだらないものは、さっさと捨ててしまえばよいのだが、どうしても捨ててはいけないのだと皆が言う。まったく訳が分からない。

(倭国と隋の外交関係 終)

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