芸能人の不祥事について

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ピエール瀧がコカインをやっていたなんていうニュースを、わざわざテレビでやる必要はないだろう。

ピエールが一生に一度も麻薬をやったことがない、というのであれば、ニュースにする価値はあるかもしれない。だが、ピエールがコカインをやっていたという話には、なんの意外性もない。やってるに決まってるじゃないか、としか思えない。

そんなことまでニュースにするマスコミというのは、どうもおかしいのではないか。芸能人とか芸人とかいう連中は、もともと半分やくざみたいなものなのだから、彼らが影でこそこそ何をしていようが、誰も驚きはしないだろう。放っておけばよい。

芸人というのは、根も葉もない話をもっともらしく、面白おかしく語るのが仕事なのであって、四六時中嘘をついているような人々である。

ロンドンブーツが嘘をつくはずがない、なんてことがあるだろうか。むしろ嘘しかつかないだろう。嘘の話で詐欺師を笑わせて金をとっているのだから、詐欺師以上の詐欺師である。その後べそをかいて見せて、国民まで騙している。ろくでもない連中である。

世の中で普段から嘘をつく人種は、芸能人と政治家くらいのもので、普通の人間には、なかなか嘘をつく機会などない。社会に嘘つきが増えてくると、世情は不安なものになる。百人に一人でも嘘つきが混じれば、その社会に未来はない。すべての悪事は嘘をつくことから始まる。だから、世の中の悪いことの半分くらいは、テレビが作ったものである。

最近は大真面目にこういう注意をする大人も少なくなったが、テレビを見ると馬鹿になるというのは、たしかに真理である。

2

ニュースというものは客観性を重んじるのかもしれないが、客観性と無責任は違う。

以前、地方のアイドルが過労で自殺した、という事件があった。それを取り上げたニュース番組のアナウンサーが、かわいそうですね、みたいなことを言っていたと思う。他に言うことはないのだろうか。

そもそも、今のアイドルブームを作ったのはテレビではないか。そのブームに乗っかって多くの若者がアイドルを目指し、その中から過労で死ぬ者まで現れた。その責任の一端は、テレビ局にもあるはずであろう。自分のテレビ局で未成年のアイドルをさんざん働かせておきながら、いざアイドルが死ぬと他人事のように、かわいそうですね、と言う。他に言うことはないのだろうか。

彼らは、ニュースの客観性と、自分の行為を反省しない無責任さとを、取り違えているのである。ニュースばかり見てると嘘つきになるぞ、と私は言いたい。

3

京アニ事件の報道などを見ていると、アニメは日本を代表する文化だということを、いまだに認めようとしない人がいることに気付かされる。

しかし、海外から見れば日本はアニメの国であり、我々はそのイメージを受け入れるしかない。それを拒否するほうがむしろ子供っぽく見えるだろう。

アニメなんてくだらない、子供の娯楽だ、と言う人がいるかもしれない。しかし、だからこそ文化としての価値があるのではないか。日本のアニメは、くだらないからこそ世界で愛されている。それを誇りに思う必要はないが、そういうものとして受け入れてもよいのではないか。

日本人のアニメに対する冷淡さは、私にはどうも理解できない。

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