世代論

 団塊の世代の親は復員兵である。戦場で戦っていた兵隊たちが日本に帰ってきて、子供を作った。それが団塊の世代である。実際に戦地で戦ってきた人たちには、どこか明るさがある。あっけらかんとしていて、楽しそうに戦争の話をすることもある。
 一方で、戦争に行き損ねた人たち、つまり、終戦時に十代の学生だったような人たちには、どこか屈託がある。きつい言い方をすれば、人格が歪んでいる。戦時下で皇国教育を受け、戦後はGHQの統治を経験したのだから、当然と言えば当然である。吉本隆明がこの世代の代表例で、虚無的というか、二重人格的で複雑な性格をしている。そしてその性格は、少なからず子供の世代にも影響を与えていると思う。

 彼らの子供はしらけ世代に当たる。代表例は安倍晋三だろうか。安倍晋三という人間には、その無責任さという点において、ゆとり世代に通じるものがあるように見える。ここにも親子関係があると考えるのは、少し強引かもしれない。
 私の理解では、日本社会の世代というものは、ティラミスのような構造になっている。団塊の世代としらけ世代が交互に現れて、縞模様を作っている。ずいぶん勝手なことを言うようだが、世代論とは勝手なものである。

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