記事紹介3:太平洋戦争

近現代史の考察は、このHPのテーマの一つです。

明治維新以来、日本がどのような歴史を辿ってきたのか、ということは、現代の人々にとっても重要な関心事のはずです。しかしながら、明治期の日本について語る人は多いのですが、大正から昭和にかけて、特に戦争に向かう日本の歴史を、説得力を持って語れる人はほとんどいません。

それはなぜかと言えば、基本的な事実認識を間違っているからです。考察の前提が間違っているので、正しい結論を導くことができず、歴史が像を結びません。その前提とは、太平洋戦争に関するものです。

一般には、日本は戦争に敗北したと考えられています。しかし、それが間違いなのです。歴史的な事実として、日本は戦争に勝利しています。この点を押さえておかないと、歴史を理解することが難しくなります。


たとえば、アメリカは沖縄戦を制し、そこに大規模な軍事基地を構築しました。なぜかといえば、日本本土に侵攻するための前線基地とするためです。

しかし実際には、本土決戦は実行されませんでした。なぜでしょうか。アメリカ軍はそれまで、日本に到達することを目標として進軍を続けてきました。そのゴールを目前にして、なぜ彼らは動きを止めたのでしょうか。あるいは、満洲国や大東亜会議はなぜ必要だったのでしょうか。ある人々は、それらは日本の侵略行為を正当化するための建前だ、と主張します。しかし、本当にその説明は筋が通っていると言えるでしょうか。

またそもそも、どうして日本はアメリカと戦わねばならなかったのでしょうか。知識人たちの言う通り、日本の侵略行為がその原因なのでしょうか。しかし、彼らの言い分によれば、日本はアジアを侵略しようとしたのであって、アメリカを侵略しようとしたわけではありません。それなのになぜ、アメリカと戦う必要があったのでしょうか。

日本の敗北を前提として考えると、これらの問いに適切な答えを与えることができなくなります。日本が勝利したと考えることで、歴史の真相を知ることができます。

実際には、無謀な海外膨張政策を進めた結果として、戦争という破局を迎え、最終的に敗北を喫することになったのは、アメリカです。日本人がこれまで戦前の日本について語ってきた言説は、すべてアメリカにこそ当てはまるものです。


この奇妙な歴史のねじれを解き明かそうとしたのが「真珠湾奇襲」から「ルーズベルトの罪状」に至る一連の考察です。また「大東亜戦争の真意」「アメリカの参戦」「東条英機」「太平洋戦争概説」など、この問題に関しては様々な記事を書いてきました。他の記事は、また別の角度から整理して、紹介したいと思います。

この問題に関しては、チャールズ・ビアードの『ルーズベルトの責任(上・下)』が参考になります。藤原書店から翻訳が出版されています。

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