安倍首相の健康問題について

最近、安倍首相が健康診断のために入院したとかいう話で、一部の人々が盛り上がっている。左翼の人は、首相は健康に問題があるから退陣すべきだと言い、右翼は、コロナ対策の激務で疲れているのだ、と首相の体を気遣う素振りを見せる。

この場合、左翼の方がまともなことを言っている。首相の健康に問題があり、仕事を続けられないのだとすれば、辞めるべきである。だが、右翼の言う通り、首相が十分に務めを果たしたうえで、疲労が溜まっているのだとすれば、休みも必要だと言えるだろう。この意見を正当化するためには、首相が十全に責務を果たした、ということを示す必要がある。

繰り返しになるが、ここで私が問題視するのはコロナ対策ではなく、財務省における文書改竄等の、森友学園に関連した諸問題である。この問題の論点は単純で、首相が行政の長としての務めを果たしたかどうか、ということである。

内閣総理大臣は行政の長として、日本の政治運営に対して責任を負っている。彼の仕事は、政治が本来の役割を果たせるように指揮を執る、ということである。その総理大臣の管轄下にある財務省において、職員が正道を曲げるような行動をとったということは、彼が行政の長としての役割を十分に果たせなかった、ということを意味している。ゆえに、当時のそして現職の内閣総理大臣である安倍晋三は、職を辞するべきである。なぜならば、彼にはその仕事を遂行する能力が欠如しているからである。能力のない人間に仕事を続けさせても、社会の迷惑にしかならない。よって辞めるべきである。

もしも彼が不正に関与していなかったのだとすれば、そのこと自体が問題である。自分の部下が不正に手を染めているのに、それに気づかなかったということは、上司の責任になりうる。彼は、部下が不正を行わないように、その仕事を指導し、管理しなければならなかった。それができなかったということは、彼の落ち度である。


むかし孫子が呉王闔廬こうろに仕えようとしたとき、王は彼を試すために、宮中の女官たちを用いて軍隊を編成するように命じた。もちろん、宮仕えの女性たちに軍隊経験があるはずもなく、まともな兵隊になりそうには思えなかった。そこで孫子は、命令に従わなかった女を一人、見せしめのために切り捨てた。首を刎ねたのである。それからは、女性たちも彼の命令に忠実に従うようになり、立派な軍隊が出来上がった、という話である。

日本の総理大臣はこれを手本にしなければならない。信賞必罰を明らかにしなければ、人を動かすことはできない。

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