宇宙と戦争

私はときどき、どうすればアメリカに勝てるか、ということを考える。思考の訓練のようなものである。

日本が数千発の核ミサイルを用意できたとしても、それだけではアメリカには勝てない。なぜなら報復攻撃で日本が破壊され、相打ちになるからである。では、報復を阻止するためにはどうすればよいか。

まず、こちらのミサイル発射を相手に悟らせないことが必要である。アメリカの観測衛星がこちらのミサイル発射を検知した瞬間に、報復攻撃が始まるかもしれない。ゆえに、まず観測衛星を潰す必要がある。衛星軌道上に大量の宇宙ゴミをばらまき、すべての衛星を破壊、あるいは使用不能にする。そうすれば、衛星によってミサイル発射を検知されることはない。

さらに、あらゆる手段で通信妨害を行う必要がある。日本からアメリカまで電波による通信を行うためには、電離層を使って電波を反射する必要がある。詳しくは知らないが、成層圏で核爆発を起こすと電気機器が使えなくなるとかいう話があり、何らかの方法で強力な通信妨害を行うことは不可能ではないだろう。そのように、こちらのミサイル発射を敵から隠す手段が必要である。

また、もしも敵にミサイル発射が知られてしまった場合でも、報復攻撃の発動を阻止する手段を用意しておく必要がある。核の発射ボタンは大統領が持っていると言われているが、その信号は電波によって送られるのだろう。その電波の送受信を妨害する手段が必要である。原潜がどこに潜んでいるかは分からないので、大統領をマークしたほうが確実だろう。

そのように、敵の報復攻撃発動を阻止している間に、こちらのミサイル全弾をアメリカ全土に命中させる。それによってアメリカが滅びてしまえば、報復の理由もなくなる。なぜならば、報復攻撃はアメリカを守るための手段だが、その守るべき対象が既に存在しないからである。これで我々の勝利である。

もちろん、これで上手く行くとは限らない。通信妨害を行っている間、ミサイルの軌道をどう制御するのか、大統領以外の人間が核攻撃の判断をする可能性があるかなど、考慮すべき問題は多い。だが、大筋は上記のようになるだろう。核時代の戦争は一瞬で終わる。先手必勝の勝負になる。

何が言いたいかというと、次の戦争の主戦場は宇宙になるだろう、ということである。というより、すでに戦場になっている。そこに民間企業が進出しようとするならば、彼らは戦争に利用されざるをえない。

人類が宇宙に進出するためには、まず世界平和を実現する必要がある。国家間の対立が存在する限り、宇宙の商業利用は絵に描いた餅である。

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