I. 文学とアニメーション

I. 文学とアニメーション

仏教と自殺

1 仏教では自殺は禁止されていないのか、という疑問がときどき提出される。これについて考えてみたい。 そもそも、仏教で何かが禁止されているという場合、それはタブーを意味するわけではない。それぞれの人間が、自分の判断でそれをやめるべきだ、あるいは、やめたほうがよい、と言っているだけである。 キリスト教に...
仏教文化
I. 文学とアニメーション

『なめとこ山の熊』について

宮沢賢治に、有名な『なめとこ山の熊』という童話がある。ぜひ読んでみてもらいたい。すでに色々な解釈が与えられているが、思うに、そのモチーフは捨身飼虎であろう。物語の最後で小十郎は如来となり、熊たちはその弟子として悟りを開いたのだろう。 ときどき、この童話に熊と人間の対称性を読み取ろうとする人がいるが、...
仏教文化
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カッコウ

カッコウには、托卵という習性がある。自分とは別の種類の鳥の巣に卵を産み、その巣の親鳥に、代わりに雛を育ててもらうのである。カッコウに托卵された親鳥は、一体どんな気分だろうか。 あれを、親鳥はだまされているんだ、と言う人がいるが、それは違うと思う。たぶん、親鳥は気付いている。気付いているけれども、目の...
文化
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イヨマンテ

先日、『ゴールデンカムイ』という漫画を読んだ。その中に、イヨマンテの話が出てきた。イヨマンテは、アイヌの風習である。簡単に言えば、母親を殺された子熊を村で育て、成長してから殺す、というものである。この風習にどういう意味があるのか、少し気になり、考えてみた。 まず、子熊の親を殺したのは、アイヌ自身であ...
文化
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文学とアニメーション

日本の文学の特徴は、移ろいゆく自然を、移ろいゆくままに表現することであろう。俳句にも和歌にも、そのような特徴がある。そして、その起源は荘子にあると私は思う。 たとえば『荘子』の中に、どんどん体が曲がってゆく人の話がある。毎日毎日、体がねじ曲がってゆき、日常生活も難しくなるのだが、本人は全く気にしてい...
アニメーション文化