アジア侵略という欺瞞

日本軍がアジアを侵略したというのは、一種の詭弁である。たとえば、日本軍はビルマに侵攻したが、そこで彼らが戦ったのは大英帝国のビルマ軍であって、ビルマ人の軍隊ではない。そもそも当時のビルマには、ビルマ人によるビルマ人の国家は存在せず、ビルマの主権者は英国王であった。そのビルマに侵攻した日本軍はやはり英国と戦ったのであって、ビルマ人と戦ったわけではない。これを、日本がビルマを侵略した、と言うのでは言葉が足らず、誤解を招きやすい表現と言わねばならない。

日本が戦ったのはビルマ人の国家ではなく、英国である。よって、日本はビルマを侵略したのではない。なぜなら当時のビルマには、ビルマ人を主権者とする国家が存在しなかったからである。ゆえに、大東亜戦争において日本がアジアを侵略した、という主張は誤りである。このことは、タイ王国軍と日本軍が、ほとんど交戦しなかったことからも分かる。日本がアジアを侵略しようとしていたのであれば、彼らは当然タイ王国をも征服しなければならなかったはずである。しかし日本軍は、明らかにタイとの戦争を避けようとしていた。ここに、日本のアジア侵略説の矛盾がある。

では、どうしてこのような誤解が広まっているのかというと、ある種の人々が、意図的に曖昧な言葉遣いをすることで、日本がアジアを侵略したという誤解を生み出そうとしているからである。日本はたしかに英領ビルマに侵攻したが、それをビルマ侵略と呼んでしまうと、まるで日本がビルマ人と戦ったかのような印象が生まれてしまう。しかし、実際に日本が戦ったのはイギリス政府であって、ビルマ人の政府ではない。この点を明らかにしないままに、曖昧な言葉遣いを続けることで、日本の言論界は機能不全に陥っている。事実を明らかにするという、言論の最も重要な機能が失われているのである。

では、このような不正確な言葉遣いを続けるのは誰かといえば、リベラリストである。彼らは、己の主張を正当化するためならば、事実を歪曲することすら厭わない。日本が侵略国家であるとするならば、その日本と戦ったアメリカは正義だということになる。ゆえに、アメリカが体現するリベラルな価値観こそが正義だということになり、リベラリストの立場が正当化されるわけである。そのために彼らは事実を歪曲し、日本は侵略国家だったと言い続ける。すべて己の保身のためにしていることである。まことに浅ましい敗北主義であり、自尊心が完全に欠如していると言わざるを得ない。

では、このような歴史認識の歪みを生み出した原因はどこにあるのかといえば、それは昭和天皇である。終戦の詔こそがすべての原因である。あの玉音放送の瞬間に、歴史の姿が大きくねじれたのである。昭和天皇は、たしかに日本の歴史に残る偉大な英雄ではあるが、彼の残した負債についても語られるべきである。

また、その影響は日本だけに留まらない。終戦の詔の影響は韓国にも及んでいる。韓国人にとって、本当のトラウマは、日本の植民地統治ではない。彼らが本当に恨みに思っているのは、朝鮮戦争である。そのとき朝鮮全土が戦場になり、多くの都市が壊滅的な被害を受けた。その被害は、主にアメリカ軍の大砲によってもたらされたものである。したがって、韓国人は、本当はアメリカを恨まなければならない。しかし彼らの歴史認識では、アメリカは善だということになっている。ゆえにアメリカを恨むことはできず、代わりに日本が恨まれているわけである。それが反日の本質である。

たとえば、防弾少年団のメンバーが、広島の原爆がプリントされたTシャツを着ていたことが、日本で話題になったことがある。彼らは無邪気にアメリカを信じているわけである。北朝鮮からすると、それが信用できない。南北朝鮮の統一を阻んでいる最も大きな要因は、おそらく歴史認識の違いであろう。韓国人にとってアメリカは善だが、北朝鮮にとってはそうでもない。彼らはアメリカと戦ったのだから当然である。

しかし、北朝鮮の政治には柔軟性があって、トランプとは仲良くしているようである。それもある意味自然なことで、朝鮮戦争を始めた大統領はトルーマンで民主党だったが、トランプは共和党なので、北朝鮮はそれほど警戒していない。北はリベラリズムのうさん臭さを嫌っているが、南はそれを信じている。ここを真剣に考えないと、朝鮮統一は難しいだろう。いっそ南北どちらも日本に併合してしまえば、立場が対等になるので収まりがよいのではないか。

タイトルとURLをコピーしました