日本の核武装と、アメリカの「ドンロー主義」

日本は核武装するべきだ、という意見がある。中国や北朝鮮、ロシアは核を持っており、日本は核を持つ独裁国家に取り囲まれている。だから、日本も核を保有して、これらの国に対抗するべきだ、と。

では、かりに日本が核を保有したとして、それをいつ使えばいいのだろうか。中国軍が自衛隊を攻撃したら、即座に核を使うべきなのか。それとも、九州が占領された時点で使うべきなのか。いったいどういう条件がそろったときに、我々は核を使うべきなのか、使うことができるのか、それが明らかでない。使い方がわからない道具を持っていても、意味はない。だから、核武装は必要ないと思う。

一方で、日本が核を持っていない場合に、自衛隊のほうから中国軍を攻撃したとき、相手に核使用の口実を与えてしまう危険性はある。したがって、相手の核使用を封じるために、核を保有する利益はある、という反論がありうるだろう。

これに対しては、ひとつには、そもそも核を使用する実益がない、という答えがある。核を使用してしまったら、もう後戻りはできない。この世にやられっぱなしで我慢できる人間などおらず、中国が核を使用したら最後、日中の泥沼の戦争が始まるだろう。核兵器は抑止力として利用するから価値があるのであって、実際に使う場面を想定することは難しい。可能性としては、先制攻撃で核ミサイルによる総攻撃を仕掛けて、敵国全土を潰滅させてしまう、という方法はあるだろう。しかし、そんなことをして何の得があるのかがわからない。中国が日本の国土に手を出そうとするのは、そこに利用価値があるからであり、その利用価値自体を破壊してしまえば、そもそも侵略する意味がなくなるのである。

もうひとつの答えとして、アメリカの核の傘がある。日本が核攻撃を受けたら、アメリカが報復核攻撃を行うと宣言しているから、それが抑止力になるはずだ。

そんな話を信用できるか、という人もいるが、私は信用している。なぜならば、アメリカにとって日本には利用価値があるからである。かりに日本が中国側に寝返ったとすれば、中国との対決において、アメリカは不利な立場に置かれることになる。もちろん、アメリカ一国だけで全世界を敵に回すことも可能だが、わざわざ自分から不利な状況を作る必要はない。日本がアメリカ側についているということは、それだけで中国に対するけん制になるのである。

つまり、日本対中国の対立の構図において、アメリカには日本に肩入れすべき理由がある。日本人以上にアメリカ人が日米同盟を必要としているのである。これを絶対視するべきではないが、利用することは考えてよい。アメリカには、日本は自国側にいたほうがいいという欲があるのだから、この欲を利用して、中国との戦いにアメリカを引きずり込めばいいのである。

アメリカが警戒すべきは、ユーラシアが統合されることである。アメリカ大陸は歴史が浅く、民族や文化がそれほど成熟しているわけではない。一方、ユーラシアには古い歴史があり、大小無数の民族がそれぞれ固有の論理で社会を形成している。ゆえに、南北アメリカ大陸では合衆国の一極支配が成立しているが、ユーラシアには無数の極があり、アメリカはこれを自由に操作することができるのである。中国の力を削ごうと思ったら、日本や韓国を自国に引き寄せればいい。ドイツを牽制しようと思ったら、イギリスとの対立を煽ればいい。そのように、隣り合う国家や民族間の対立を煽ることで、ユーラシアの状況をコントロールできる。日本はそのための道具として最適なのである。

ゆえに、日本がちらつかせるべきは、中国との連携である。これはあからさまなものではなく、ほんの些細なことでいい。日本が離れる可能性を、アメリカに匂わせておけばいいのである。もちろん、日米同盟は絶対である。絶対だが、・・・。

そこに続くべき言葉は、貴国は中国との戦争に乗ってくるのか、という確認である。こうなるとアメリカに拒否権はない。重要なことは、日本が主導権を握ることである。そのためには、我々のほうから状況を作っていかねばならない。

私は、核の抑止力は存在しないと考えている。かりに世界中の国が核を保有するようになったら、戦争はなくなるのかというと、そうはならないだろう。むしろ、戦争のハードルがいまよりも低くなるはずだ。核を恐れる一方で、どうせ使わないだろうという油断が生まれる。そこから、なし崩し的に戦争が始まるだろう。

だから、気にせずにやればいいと思う。核を使われたらそのときで、とりあえず通常兵器でやってみればいい。そもそも、死を恐れるから人に支配されることになるのであって、死を恐れる気持ちがなければ、武器を持っているかどうかは問題ではない。死ぬ気でやれば、なんとかなることもある。結局、強気が大事だと思う。

追記

今月3日、アメリカがベネズエラへの軍事侵攻を開始した。表向きは、ベネズエラによる麻薬汚染を排除するためだといわれているが、それはベネズエラの大統領を誘拐していい理由にはならない。実際、アメリカにはそれ以上のねらいがあり、トランプ大統領は「モンロー主義」をもじって「ドンロー主義」を主張し、南北アメリカ大陸の完全な支配を目指していることを明らかにした。

民主主義の盟主たるアメリカのかくも野蛮な振る舞いを目の当たりにしてなお、誰も民主主義に疑問を抱こうとしないのは、じつに不思議なことである。私はこれまで幾度となく民主主義の危険性に警鐘を鳴らしてきたし、そのために一冊の本を書いたほどだが、その本を公表しないうちに、状況はどんどん悪化している。残念ながら私は、自分の生活さえままならず、身動きが取れない状態である。いまは資格取得に向けて勉強を進めており、これから司法書士試験にチャレンジして、資格を取って、就職し、お金を貯めて、いままでに書いた本を自費出版するつもりである。それが何年先のことになるかはわからないが、私は私にできることをやるしかない。

社会はどんどん悪くなり、みなが思考停止に陥っている。誰も民主主義に洗脳されていることに気づいていない。私は洗脳を解除するための治療薬を持っているが、いまはただ静かに勉強を進めるだけである。

タイトルとURLをコピーしました