自殺に関して

最近、芸能人の自殺報道が相次いでいる。どうも不思議な感じがするのだが、何が起きているのだろうか。

一般的なことを言えば、私が常々感じているのは、命を大事にしすぎだということである。命が大事だと言えば言うほど、その息苦しさに耐えられなくなってしまう。生きていさえすればそれでよい、という言葉は、彼の人生を否定するものになりかねない。命にこだわりすぎることが、不可解な自殺を増やしているのではないか。

コロナ騒動の中で経済活動を再開するための言い訳として、経済が停滞すれば自殺者が増えるから、死者を減らすために経済活動を続けなければならない、という言葉をよく聞いた。彼らは、ウイルスによる死者と不景気による死者を秤にかけて、自分の主張を正当化しようとしているのである。まるで、人が何人死ぬかということだけが重要だ、と言わんばかりである。生の中身については全く問題とされない。

彼らは家畜の数を数えるように人間の数を勘定している。その数を比べて、どの場合にどれだけの損失が出るか、という議論をしているのである。政治がこういった調子では、自殺者が増えるのは当然であろう。

ただ生きているということに、いったいどれだけの価値があるのか。生きることに楽しみを見出せないのであれば、その生に価値があると言えるのか。

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