日本国策大綱

現在日本国は未曽有の危機の中にある。三十年来経済の停滞は続き、リーマンショックやコロナ禍による不況の中で市民の生活は圧迫され、格差が固定化されつつある。外交的には対米従属を脱け出せぬまま、中国の台頭を前にして右せんか左せんかと思い悩む。米軍基地と尖閣問題の板挟みにあって、日本政府は解決不能なジレンマに陥ったかのようである。

さて国内の政治はというと、野党は求心力を失い、自民党のロートル議員が国政を牛耳っている。少子化や経済格差に気候変動への対応など、解決すべき問題は山積みだが、政治は機能していない。果たして我々はどこから手を付け、何をすればよいのだろうか。

対米従属の解決

まず解決すべき問題は対米従属である。隣国中国の台頭を前にして、アメリカ一辺倒はまことに具合が悪い。アメリカに対して今より強くものを言えるようになれば、中国との関係も清算しやすくなるだろう。

この問題を解決するためには、まず、なぜ日本がアメリカに逆らえないのか、その原因を明らかにする必要がある。原因はグアムである。アメリカ政府は、グアムの米軍基地から容易に日本を攻撃することができる。一方で日本からグアム基地を攻撃することは困難である。なぜならグアムは小さな島であり、ここを守ることは簡単だからである。つまり、グアムに米軍基地がある限り、日本はいつでもアメリカに脅迫されている状態にあることになる。ゆえに、日本はアメリカに逆らうことができない。

したがって、対米従属を解消するためには、グアムを開放する必要があると言える。グアムから米軍を追い出すことができれば、日本は外交的な自主性を取り戻すことができ、また沖縄の基地問題も自然に解決されるだろう。その具体的な方法については、別の記事で議論した。簡単に言えば、日本は中国と協力し、また中東諸国の団結を促すことで、世界的なアメリカ包囲網を形成し、彼らをじわじわ追い詰める作戦である。日本が中心となって反米大同盟を提起することで、国際政治の流れは変わるだろう。

経済格差の解決

では、経済の問題をどうすべきか。日本経済の停滞とそれに伴う格差の拡大、そして貧困問題をどう解決すればよいか。これに関して明確な答えはない。そもそも経済成長が本当に必要かどうかも怪しい。格差は現に存在し、それが固定化されつつあることも事実であるが、では所得や貯蓄の額を均一化すればそれでよいのかといえば、そうではない。

そうではなく、金がなければ何もできない社会になってしまったことが一番の問題である。金がなければ生きられない社会だからこそ、金がないことが問題となるのであって、金がなくても生きられる社会を作れば、金がないことは問題にならない。ゆえに、問題の根本は貨幣至上主義であることが分かる。現在の社会は貨幣の存在を前提として成り立っているために、経済格差が深刻な問題となりうる。したがって、貨幣を前提としない社会、貨幣を経済の基盤としないような社会を作れば、経済格差は問題ではなくなる。

では、それはどのような経済かといえば、食料を基本とした経済である。現代人に想像するのは難しいかもしれないが、たとえば江戸時代には、百姓は代官に年貢米を納めていた。それ以前も日本人は租、つまり米を税として納めていたわけである。つまり、政府が食料を税として徴収することによって、貨幣に依存しない経済、食料を基調とした経済を構築できると考えられる。

我々はこれを世界規模で行わなければならない。なぜならば、経済格差の問題は日本国内のみに留まらず、世界中至る所で生じているからである。ゆえに、日本一国だけで格差解消の手段を講じても、焼け石に水であると考えられる。というのも、日本経済は常に世界経済とつながっており、その影響を受けずにはいられないからである。日本における格差拡大は世界的な格差拡大の一端にすぎず、これを日本独自の対策で解決することは困難である。

では食料税、つまり租を世界中で徴収するためには何が必要か。必要なものは世界規模の統治機構、世界政府である。ゆえに次は、世界政府をどうやって作ればよいか、ということを考えねばならない。

我々は日本の課題を解決するために世界政府を必要としているのだから、当然その中心は日本でなければならない。では、我々はどんな手順で進めればよいのか。世界全体を支配下に置く政府を作るためには、我々はまず政治の範囲を拡大せねばならない。日本政府は現在日本国のみを統治下に置いているが、その統治範囲を徐々に拡大してゆくのである。

しかしながら、これは侵略を意味するものではない。侵略を意味するものではないが、日本政府が日本国外の地域を統治するというと、まるで侵略であるかのように捉えられてしまうだろう。したがって、我々は日本政府の外に統治機関を置かねばならないことになる。日本政府から独立した、しかも日本独自の政治機関であり、それは日本政府よりも上位に立たねばならない。

世界政府の創設

そのような条件を満たしうる存在は天皇をおいて他にない。我々は天皇陛下を中心とした統治機構を準備し、これを世界政府の前身とするべきである。そして、まず東アジアを統一する。これは天皇陛下が中国皇帝に即位することによって可能となる。現在は台湾政府が大清国から皇帝の位を継承しているので、彼らが天皇に禅譲を行うことによって、皇帝への即位が実現される。これによって日本と台湾の統一がまず達成されるが、これは中国の脅威から台湾を救うことにもなるだろう。本音を言えば、中国よりも先に我々が台湾を取るべきである。

次に控えるのは中国と日本の統一だが、これは一筋縄ではいかないだろう。ここで、先ほど述べたグアム攻略が一役買うかもしれない。グアムについては中国と日本の利害は一致している。東アジアからアメリカを追い出すためであれば、彼らは日本に協力せざるをえないだろう。そこで日中同盟の既成事実を作ってしまい、アメリカとの対立を通して中国への影響力を強める。

心ある中国人ならば、現在の世界情勢が決して楽観視できるものでないことは理解しているはずである。中国国内においても格差の問題は深刻化しており、それを打開するために世界規模の対策が必要なことも分かるだろう。そして、それを我々が主導することの利益の大きさも、彼らに分からないはずがない。中国の協力がなければ、我々の計画は上手く行かない。しかし中国は、日本ほどには国際的な信頼を勝ち得ているわけではない。我々はお互いに協力しうる立場にあると言えるのではないか。

我々は世界政府を作り、世界中で年貢米を徴収する。それによって世界各地で農業基盤が確立され、食料問題は解決されるだろう。これは必然的に意識改革を伴う。人々の意識は土に向けられ、また自然に向けられる。持続的に税を納めることができるように、持続可能な農業が模索され、それは環境問題の解決にも資することになるだろう。

また、日中韓の懸案である歴史認識の問題については、大東亜戦争史(1)(2)(3)を参照のこと。太平洋戦争はアジアの勝ちであり、アメリカの負けである。この認識のもとで歴史を書き直さねばならない。

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