過去の文章

V. 正義とは何か

自由意志と責任

1自由意志は存在しない。少なくとも、責任や罪の重さについて考えるときには、自由意志が存在すると考えるべきではない。罪は、正しい行いを行わなかったときに生じる。義務を果たさなかったときに生じる。その原因は追究されるべきであるが、自由意志が原因として措定されるべきではない。自由意志は因果律の特異点である...
思想社会
V. 正義とは何か

冤罪について

1私は、犯罪者をとり逃すぐらいなら、多少の冤罪は構わないと思う。最近の世間は、犯罪者に優しすぎる。そういう態度は決して良い結果を生まない。悪を憎む心が足りないということは、最も恐ろしいことである。冤罪をなくすことはできないし、なくそうとするべきでもない。そうではなく、犯罪をなくさなければならない。た...
宗教社会
V. 正義とは何か

吉本隆明と誹謗正法

吉本隆明は、麻原彰晃も念仏さえ唱えれば極楽へ行ける、と言った。なぜかといえば、浄土真宗の開祖親鸞によれば、たとえ五逆の罪を犯した者でも、念仏によって極楽へ往生できるからである。ここで問題とされているのは、弥陀の誓願の第十八、念仏往生の願の後半に現れる「ただし、五逆と誹謗正法とを除く」という一文である...
仏教
V. 正義とは何か

正義とは何か

昨今の人間社会では、この世界には正義など存在しない、それは相対的なものに過ぎない、などという言説が、まことしやかに語られている。いったい正義とは何だろうか。たとえば、あなたには赤と黒の見分けがつくとしよう。赤色がどのようなものであり、黒色がどのようなものであるか、あなたは知っているとしよう。しかし世...
思想社会
IV. 日本の平和

戦争と平和

1核兵器がなくなれば、また戦争ができるようになる。話し合いよりも、戦争で解決したほうが楽なこともたくさんある。平和を実現するためには、何よりも戦争が一番の近道である。むろんそれは、基本的な道徳が共有できていれば、ということだが。キリスト教徒がいなくなれば、戦争はそれほど残酷なものにはならないだろう。...
政治
IV. 日本の平和

格差社会

1このまえ川崎で、路上でバスを待っていた小学生と保護者らが、刃物を持った男に襲われ、多数の死傷者が出るという事件があった。この事件を、弱者を狙った卑劣な犯行と考える人もいるが、それは間違っている。現代の日本社会では格差が広がっている。収入が高い人は問題ないが、収入が低く日々の生活で精いっぱいの人には...
政治社会
IV. 日本の平和

ロングテール

ロングテール、という言葉をよく聞く。社会における富の分布はロングテールになっているらしい。そのほか様々な社会的指標がロングテールの法則に従っていることを、誰かが証明したという。ロングテールというのは、変数を k としたときに、k という値を持つ要素の数が、k の - r 乗に比例する、という分布のこ...
社会
IV. 日本の平和

スポーツと教育

親は、子供にスポーツばかりさせてはいけない。ちゃんと勉強をさせねばならない。野球ばっかりやっている子供が、将来みんな野球選手になれるとは限らない。勉強をしないで野球ばかりやって、それで野球の仕事にも就けなかったら、ただの馬鹿になってしまう。それはあまりにも可哀そうである。スポーツはただの遊びである。...
社会
IV. 日本の平和

STAP細胞

私はSTAP細胞の発表を聞いたとき、iPS細胞があるなら、STAP細胞があってもおかしくない、と思った。細胞の万能化の仕組みはよく分かっていないので、そもそも、iPS細胞がどうして上手く行くのか誰にも分からない。だから、同じような万能化であるSTAP細胞の話が出てきても、そんなことはありえない、とは...
科学
IV. 日本の平和

徳は教えられうるか

プラトンは、対話篇『メノン』において、徳は教えられうるか、という問題を提起している。そこでは明確な回答が与えられているわけではなく、また、哲学者がこの問いに答えられたためしはない。しかし、その問題はすでに仏陀によって解かれている。徳を教えることはできる。それは物乞いによってである。徳とは憐みの心であ...
仏教思想