IV. 恥の文化さとり さとりは一つの体験である、と言われることがある。それも間違いではないが、正確ではない。さとりとは、一つの認識である。それは非常に明瞭で、輪郭のくっきりしたものである。たとえば、はじめは壺に見えるが、よく見ると人の顔にも見える、というだまし絵がある。一度それが見えてしまうと、壺と顔の両方が見えるように... 2020.11.20IV. 恥の文化小論集5仏教
III. 国語の教育はいかにあるべきかダライ・ラマとは何か 化身ラマとチベットの国力ダライ・ラマがチベットの国家元首となったのがいつのことなのか、私は知らない。彼は観音菩薩の化身とされ、死後は別の人間に生まれ変わる。そして高僧たちがそれを見つけ出し、次の国家元首に据える。これが化身ラマと呼ばれる、チベットの政治制度である。思うに、この制度が意味することは、人... 2020.10.18III. 国語の教育はいかにあるべきか小論集5仏教思想
III. 国語の教育はいかにあるべきか浄土真宗と飲酒 不飲酒戒はじめに断っておくが、私は真宗の信徒ではないので、勝手なことを言わせていただく。そのつもりで読んでほしい。浄土宗の教えは、念仏さえ唱えれば往生できるというものであり、徳を積まなくても果報が得られるということで、一般の人々の信仰を広く集めた。ところがこの教えを歪めて理解し、どうせ往生できるのだ... 2020.10.08III. 国語の教育はいかにあるべきか小論集5仏教
III. 国語の教育はいかにあるべきか国立戒壇と政教分離 先日、YouTubeで中田敦彦の動画を見ていたら、公明党について面白い話をしていた。公明党はかつて国立戒壇の設立を主張していたが、憲法違反との指摘を受け、それを取り下げたのだという。このとき問題とされたのは、憲法20条の政教分離の原則である。仏教が宗教だとするならば、国立戒壇の設立は政教分離に反する... 2020.09.21III. 国語の教育はいかにあるべきか小論集5仏教
III. 国語の教育はいかにあるべきか正しい死に方 今回のコロナ騒動で明らかになったことは、現代人がいかに死を恐れているか、ということであろう。人間は必ず死ぬのだから、その時が来たら死ぬしかない。それが道理なのだが、その道理が分からない人間が大半であるらしい。過激な言い方をすれば、新型コロナウイルスは高齢化の問題を解決してくれるだろう。高齢化とは、老... 2020.09.20III. 国語の教育はいかにあるべきか小論集5仏教文化
VII. 人種差別概説ユダヤについて 内田樹という人がいる。日本の左翼系言論人の代表と言ってもいいだろう。彼はいわゆる「自虐史観」の持ち主である。彼はレヴィナスに師事し、近代ヨーロッパの思想・哲学に精通しているようである。彼はあまりにユダヤ的である。ユダヤ的な思考法が彼の中に染みついている。それは彼の歴史観と切っても切れない関係にある。... 2020.09.15VII. 人種差別概説小論集4仏教文化
I. 思想雑感十二支縁起とは何か 仏教には十二支縁起という考え方がある。これは仏教の本質と言ってもよいものであり、非常に重要な考え方なので、ここで説明してみたいと思う。簡単に言えば、カテゴリーを横断する思考法である。十二支とは次のようなものである。 無明によりて行があり、 行によりて識があり、 識によりて名色があり、 名色によりて六... 2020.08.29I. 思想雑感小論集4仏教
I. 思想雑感女人成仏 仏教は男尊女卑だと言う人がいるが、それは当たらない。女人の成仏が難しいと言われるのには理由があり、とくに女性を卑しんでいるわけではない。卑しいといえば男性女性に限らず仏以外はすべて卑しいのであって、天上天下唯我独尊というのが仏教の本質である。つまり唯仏独尊である。むかし白隠慧鶴という禅僧がいた。この... 2020.08.29I. 思想雑感小論集4ジェンダー仏教
I. 思想雑感思想雑感2 1日本語に対して、中国語は外国語だと考える人が多い。たしかに北京語は外国語と言ってもよいが、漢文は外国語ではない。なぜならば、それは日本語の成り立ちに深くかかわっているからである。日本人にとって、漢文は外国語ではない。それは我々の言語の一部である。中国の人は、漢文を音で読むしかない。そのため彼らには... 2020.08.29I. 思想雑感小論集4仏教思想
V. キリスト教は外道かキリスト教は外道か 1古代インドには、六師外道という六人の思想家たちがいた。彼らの主張は互いに異なっていたが、みな一つの問題意識を共有していたと考えられる。それは、既存の道徳への懐疑である。古代の共同体に根差した古い道徳が信用を失い、破壊されようとしていた時期に、これらの思想家が現れ、道徳の意義を問い直したのである。お... 2020.06.23V. キリスト教は外道か小論集3仏教宗教思想