III. 北京語と漢文

III. 北京語と漢文

善と利益

1日本人が利に聡いと言うと、不審に思う人もいるかもしれない。日本人は人がいいので損ばかりしている、というイメージを持っている人もいるだろう。しかし、善を為すほど利益になることはない。善を為すほど、人の立場は強まる。悪事を為して利益を上げようとする人間は、その言い訳をしなければならなくなる。それだけで...
仏教文化
III. 北京語と漢文

日本人の道徳

1聖徳太子は十七条憲法の第二条で、仏法は「万国の禁宗」であると述べている。これは、仏法が、あらゆる国に通用する普遍的な法であることを宣言しているのである。太子はこの認識に基づいて、隋の皇帝に「日出処の天子」から始まる有名な国書を送った。皇帝の反発によってこの試みは失敗に終わったが、国書の目的は、日本...
仏教歴史
III. 北京語と漢文

満洲事変について

中国人が満洲事変に驚いたのは、まさかそんなことができるとは思っていなかったからである。当時の関東軍の兵力は一万足らずで、装備は旧式だった。対する張学良の軍勢は十数万と言われ、装備の面でも優れていた。このような状況で、日本側が事を起こすとは誰も思わなかったし、ましてそれが成功するとは考えられなかっただ...
歴史満洲
III. 北京語と漢文

アメリカ人の戦争観

1戦争において重要なのは、勢いを味方につけることである。日本がアメリカを相手に長期間戦い続けることができたのは、相手の出鼻をくじいたことが大きい。真珠湾の成功で日本軍に勢いがつき、戦果が拡大した。それを取り返すだけで、アメリカは相当の労力を払わねばならなかった。当時の日本とアメリカの国力の差は、一対...
歴史軍事
III. 北京語と漢文

韓国併合

安重根は、天皇陛下のために伊藤を撃った。陛下の御心は正しいものであるが、伊藤のような奸臣がそれを歪めている。だから伊藤を撃って政治を正そうとした、というわけである。彼の言い分は、基本的に二・二六の将校たちと変わりがない。かの将校たちが忠義の士とみなされうるならば、安も同様に評価されねばならない。彼の...
歴史
III. 北京語と漢文

北京語と漢文

1最近の研究によれば、中国人の話し言葉は、南北朝から隋・唐の時期にかけて、大きく変化したらしい。そのころに、北方の遊牧民が中華の平原地帯に大量に流入し、中国語の発音が全く変わってしまったらしいのである。一方で、漢字そのものは変化していない。漢字の文章の使い方は、話し言葉の変化にほとんど影響されなかっ...
中国文化歴史
III. 北京語と漢文

芸能人の不祥事について

1ピエール瀧がコカインをやっていたなんていうニュースを、わざわざテレビでやる必要はないだろう。ピエールが一生に一度も麻薬をやったことがない、というのであれば、ニュースにする価値はあるかもしれない。だが、ピエールがコカインをやっていたという話には、なんの意外性もない。やってるに決まってるじゃないか、と...
文化
III. 北京語と漢文

懐疑主義

まことしやかに語られている話だが、エジソンは子供のころ、学校の先生に、一足す一はどうして二になるのか、と質問したとされている。そしてこの話を、常識を疑うことの重要性を示す話だとして、喜んで引用する人々がいる。だが、エジソンが本当にそれを疑っていたとは考えられない。もしも彼が、一足す一が二であることを...
社会
III. 北京語と漢文

能力主義

現代の日本では格差社会が進んでいて、世の中は勝ち組と負け組に二分されているという。そこで、社会で成功するためには何が必要か、という質問に対して、能力があるかないかがそれを決めるのだ、という答えが返ってきたりする。いわゆる能力主義である。しかし、能力という言葉ほど嫌なものはない。なぜといって、そんなも...
社会