V. 世界政府宣言権力の問題 権力の問題はかなり根深いものがある。どこから切り込んでよいのか分からないが、そもそも、権力とは人を従わせる力だと考えられている。支配者が被支配者を意のままに操ることができるときに、権力があると言われるようである。だが現実には、そんなことはありえない。たとえば、ラジコンのコントローラーを握っている人が... 2020.09.12V. 世界政府宣言小論集4思想政治
I. 思想雑感フレイザーと迷信の問題 1以前の投稿に続いて、フレイザーの問題について、もう少し考察してみたい。たとえば『金枝篇』第一部第十七章において、彼は次のように述べている。「王の在世中は火を燃やし続け、その死に際して火を消す慣習は、たとえ迷信に由来するものでないにしても、自然と迷信的な解釈へと導くだろう。ある出来事のしるしと原因の... 2020.08.29I. 思想雑感小論集4宗教思想
I. 思想雑感白川静と呪術 1白川静の文字学は、非常に整っていて面白い。文字同士の関係が見事に整理されており、漢字の構造をほぼ明らかにしていると言える。ただ、彼の漢字解釈は呪術に基づく部分が多く、その点が分かりにくい。たとえば、口(さい)の字を呪告を入れた箱だとする解釈が、彼の漢字学の基礎をなしている。だが、どうしてそのような... 2020.08.29I. 思想雑感小論集4中国思想
I. 思想雑感思想雑感2 1日本語に対して、中国語は外国語だと考える人が多い。たしかに北京語は外国語と言ってもよいが、漢文は外国語ではない。なぜならば、それは日本語の成り立ちに深くかかわっているからである。日本人にとって、漢文は外国語ではない。それは我々の言語の一部である。中国の人は、漢文を音で読むしかない。そのため彼らには... 2020.08.29I. 思想雑感小論集4仏教思想
I. 思想雑感思想雑感1 1日本人の思考の型は、中国よりもインドに似ていると思う。昔から日本人は、仏教の吸収に熱心で、中国文化の受容はかなり遅れていた。もちろん、政治制度や生活習慣などは、中国を参考にすることが多かった。しかし思想の点からいうと、朱子学や儒学の研究が盛んになるのは江戸期以降で、それ以前は仏教の学者が多かったと... 2020.08.29I. 思想雑感小論集4思想歴史
VI. 記号心理学人間精神についての簡単な解説 自由意志が存在しないのだとすれば、物質としての人間がどうして精神を持ちうるのか、という問いに答えねばならない。ここで我々は、他人の精神をどのようにして知るのか、ということを考える必要がある。そうすると、それは他人の行動や言葉を通して知られる、ということが分かる。あの人は賢い、愚かだ、親切だ、ケチだ、... 2020.08.06VI. 記号心理学小論集3心思想科学
V. キリスト教は外道か現代人の死生観 現代人は、人は死ねば無になる、と考えている。あるいは、死ぬとただの物質になる、と。それは裏を返せば、生きている間は、人はただの物質ではない、ということを意味している。つまり、生命のある状態とない状態を厳密に区別しているのである。これは、現代人が霊魂を信じていることを意味していると考えられる。生きてい... 2020.06.23V. キリスト教は外道か小論集3思想文化
V. キリスト教は外道かキリスト教は外道か 1古代インドには、六師外道という六人の思想家たちがいた。彼らの主張は互いに異なっていたが、みな一つの問題意識を共有していたと考えられる。それは、既存の道徳への懐疑である。古代の共同体に根差した古い道徳が信用を失い、破壊されようとしていた時期に、これらの思想家が現れ、道徳の意義を問い直したのである。お... 2020.06.23V. キリスト教は外道か小論集3仏教宗教思想
III. 忠と孝リベラルと保守 1リベラリズムとは、精神の自由を信じる立場である。保守とは、リベラリズムに賛同しない立場である。そもそも保守という言葉には、反リベラリズムという意味しかなく、積極的な内容のある言葉ではない。その人が精神の自由を認めないならば、どんな立場であれ保守と呼ばれる。では、リベラリズムの正当性はどこにあるのか... 2020.06.16III. 忠と孝小論集3思想政治
II. 作戦計画試案GDPと社会 1九十年代以降のアメリカのGDPの伸び率は、普通ではない。日本のGDPはほぼ横ばいだが、アメリカは右肩上がりに伸び続けている。八十年代には、日本の製造業はアメリカの製造業を凌駕していた。敗北を悟ったアメリカは、自国の産業を情報技術の方へと転換させることにした。これが図に当たり、今ではIT産業の業績が... 2020.06.15II. 作戦計画試案小論集3ジェンダー思想社会