歴史

亜米利加物語

亜米利加物語・補遺

1. 絶対戦争 戦略家クラウセヴィッツによれば、戦争は必ず「絶対戦争」に帰着する。純粋な戦争は、敵を皆殺しにするまで終わらないものである。あるいは、自国の力が尽きるまで戦いは続く。これが、ヨーロッパ人の戦争に対する観念である。 絶対戦争は、目的のない戦争と言ってもいい。仮に、何らかの目的をもって戦争...
大東亜戦争歴史
亜米利加物語

亜米利加物語 第四回

11 南方作戦における日本の意志ははっきりしており、その目的は資源の確保であった。まず資源地帯であるインドネシアを占領し、次に、インドネシアと日本を結ぶ航路を確保するために、マレー、フィリピンを無力化した。最後に、連合国の侵攻拠点となりうるビルマを占領し、資源地帯の安全を図った。これらはすべて日本の...
大東亜戦争歴史
亜米利加物語

亜米利加物語 第三回

9. フィリピン作戦 アメリカ領フィリピンは、アメリカの極東における軍事拠点となっていたので、蘭印で産出された石油を日本まで安全に運ぶためには、この米軍拠点を潰しておかねばならなかった。かくしてフィリピン作戦が実行されたのである。 攻略の壁となったのは、アメリカ極東空軍の有する爆撃部隊であった。当時...
大東亜戦争歴史
亜米利加物語

亜米利加物語 第二回

7. マレー作戦 さて、戦場に戻ろう。日本軍は真珠湾攻撃と同時に、イギリス領マレー、アメリカ領フィリピン等の攻略を開始した。これらを総称して南方作戦と呼ぶ。 開戦に先立って、日本はフランス領インドシナを占領していた。というのも、当時フランスはドイツに占領されており、ドイツと同盟関係にあった日本は、武...
大東亜戦争歴史
亜米利加物語

亜米利加物語 第一回

祇園精舎の鐘の声諸行無常の響あり沙羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらわす 奢れる人は久しからずただ春の夜の夢のごとし猛き者もついには滅びぬひとえに風の前の塵に同じ 1 ここに一人の男がいた。彼は大勢のみすぼらしい男女を引き連れ、一路北に向かっていた。エジプトで迫害を受けていた人々を救うために、その先導...
大東亜戦争歴史
アジア史

タリバンと一帯一路

先日、タリバンがアフガニスタンの首都カブールを奪還し、新政府の樹立を宣言した。外国勢力によって支えられた政府は長続きせず、国内から現れた勢力が、最後には民衆の支持を獲得する。当然の成り行きである。 ここで、タリバンが中国政府と親密な関係を保っていることは重要である。アフガニスタン人は中国の一帯一路政...
中国政治経済
アジア史

アヘン戦争史観

アヘン戦争は1840年に起きたが、その影響は百年以上続いた。林則徐の建策によってアヘンの禁輸を断行した中国政府だったが、イギリス軍の攻撃に慌てて林を解任し、南京条約を結んだ。これによって中国政府はアヘンの売買を公認したこととなり、イギリス人は以後百年の間、中国国内で自由にアヘンの商売を行うようになる...
中国大東亜戦争歴史
アジア史

バラモンとクシャトリア

はじめに むかしアレキサンダー大王がインドに侵入したとき、土着の王族から激しい抵抗を受けた。彼はペルシャをたやすく征服し、アフガニスタンでは諸部族の抵抗に手こずったものの、七年がかりでこれを平定した。その後、遠征の目的地だったインドに攻め込んだが、そこで進軍の速度が落ちた。勝てなくなったのである。 ...
宗教歴史
日本史

忠臣蔵

赤穂浪士の憤慨は、何も主君のためばかりではない。彼らは不正義に怒ったのである。浅野内匠頭と吉良上野介の処分には大きな隔たりがあり、それは喧嘩両成敗の原則に著しく反するものであった。なぜそのような不公平が生じたかというと、処分を下した幕府の役人に公の心が欠けていたからであり、つまり吉良に対する依怙贔屓...
政治歴史
大東亜戦争

大東亜戦争史(3)

秀吉の唐入り 文禄・慶長の役の話を聞くと、どうも不思議な感じがする。まず驚くことは日本軍の強さだが、それよりも終わり方が変だと感じる。そして、いったい何のための戦争だったのか、ということが一番の疑問として残る。 秀吉が目指したのはアジアの統一であり、平和の樹立であることに疑いはない。しかしそれが意味...
大東亜戦争歴史