小論集2

VI. 知識人

近代国家から世界政府へ

1 近代国家という政治体制が確立されたのは、フランス市民革命と、それに続くナポレオンの時代だったと考えられる。つまり、フランスがヨーロッパで初めて近代国家となったわけであるが、その政治形態はフランスに留まらず、周辺国家へも波及してゆくことになる。 なぜ近代国家という政治機構は、瞬く間にヨーロッパ中に...
政治歴史
VI. 知識人

満洲とロシア

1 もしも中国共産党が、新疆地区のウイグル族は共産党の支配を喜んで受け入れている、と言ったとしても、多くの日本人はそれを信じないだろう。しかし同じ中国政府が、満洲事変は侵略戦争だった、と言えば、日本人は無条件でそれを信じる。これは不思議なことである。 当時の満洲で暮らしていた人々が、満洲国をどう評価...
歴史満洲
VI. 知識人

知識人

1 太平洋戦争という破滅に向かった、日本人の愚かさを書き立てる知識人は多い。彼ら全員に共通しているのは、敵の顔が見えていないことである。彼らは、アメリカについて決して書こうとしない。よく見てみれば、アメリカも日本と同じか、それ以上に愚かな振る舞いをしているのだが、それは彼らの目には入らないのである。...
思想政治
V. 倭国と隋の外交政策

天誅

嘘つきが引き起こした問題を、話し合いで解決することはできない。こちらがどれだけ真面目に話をしても、相手が平気で嘘をつくのであれば、いくら話し合いを続けても時間の無駄である。 そうした問題を解決するためには、話し合い以外の手段に訴えなければならない。むろん、直接的でない方法で問題を処理できるのであれば...
政治
V. 倭国と隋の外交政策

政治雑感

1 私が選挙権を得て、初めて選挙に行ったのは、ちょうど郵政選挙の頃だった。それまでの政治の流れを知っている人間には、小泉という人間は面白く見えたのかもしれない。だが、私のような有権者一年生にとっては、実に意味不明な選挙であった。 郵政改革とか、自民党をぶっ壊すとか言われても、それがどうして国民のため...
政治
V. 倭国と隋の外交政策

座禅

仏法を学ぼうとするものは、必ず座禅を修めなければならない。瞑想をせずに読書だけ行っても、何の意味もない。 いわゆる仏教学者の人々は、書物を読むだけで仏法に通じたつもりになっている。片腹痛いことである。座禅に打ち込むことなしに、仏法を知ることはできない。仏教学者は須らく座禅を修めねばならない。 もちろ...
仏教
V. 倭国と隋の外交政策

事実と言葉

1 中国人の書く文章は信用できない。彼らには、嘘と本当の区別がついてないように見える。 日本人の場合、言葉というものは、事実を表現するためのものだという感覚がある。しかし、中国人にはそもそも、事実とそうでないものの区別がない。そのため、彼らの書くものはどこか現実離れしている。人間が文章を書いていると...
思想文化
V. 倭国と隋の外交政策

法華経

法華経は不思議なお経である。大した内容もなく、たとえ話だけが延々と続く。私が初めて読んだときには、ただ言葉の響きに圧倒されるだけで、何が書いてあるのかよく分からなかった。 しかし、しばらくするとまた読みたくなる。そうして何度も読んでいるうちに、少しずつその教えが心に染み込んでゆくのである。読む人によ...
仏教
V. 倭国と隋の外交政策

相互確証破壊

核兵器の相互確証破壊は、戦略として成り立っていない。そもそも、報復攻撃が抑止力になるという考えには何の根拠もない。もしも、死を恐れない敵がいたならば、相互確証破壊は無効である。だが、死を恐れるような軍隊は初めから敵ではない。 ここで問題となるのは、次の二点である。まず、敵国の一般市民を標的とする攻撃...
軍事
V. 倭国と隋の外交政策

民族主義

前世紀の日中戦争に見られるような、民族主義によって戦争が過激化するという現象は、西洋文明がもたらした惨禍の一つである。中国には、もともと自民族中心主義ともいえる中華主義が存在したが、その傾向は、西洋的な民族主義の影響によってさらに過激なものとなった。 西洋人は存在にこだわる。何かが存在するという考え...
思想歴史