III. 忠と孝

二元論の歴史

1 ヨーロッパ人は世界を二つに分ける。文明と野蛮である。そして、文明人には野蛮人を支配する権利がある、と考えた。それが植民地の起源である。 ここに、二元論という問題がある。善と悪、善神と悪神、天使と悪魔、天国と地獄、文明と野蛮、資本家と労働者、白人と有色人種などなど。ヨーロッパ的な世界は二元論に彩ら...
仏教宗教歴史
III. 忠と孝

太平洋戦争概説

1 戦争の定義 私は、日本は太平洋戦争に勝利したと主張する。これは常識に反する主張なので、いぶかしく思う人もいるだろう。その真意がどこにあるのか、少し説明したいと思う。 クラウセヴィッツによれば、戦争は、政治的な目的を達成するための手段である。したがって、ある国が戦争に勝利したかどうか、ということは...
大東亜戦争歴史
III. 忠と孝

中国軍の脅威をいかに理解すべきか

1 コロナ騒動に便乗して、最近、中国軍の動きが活発化しているようである。このような問題について考えるとき、我々は次のことに注意しなければならない。それは、中国政府の対外的な行動は、基本的に国内政治の現れにすぎない、ということである。 たとえば、習近平政権が台湾の併合を主張するのは、そうしないと、党内...
中国政治
III. 忠と孝

二つの天皇家

1 私は、聖徳太子に関する日本書紀の記述に疑問を持っている。 日本書紀においては、推古天皇が隋の煬帝に国書を送ったことになっている。しかし、中国側の記録では、その時の日本の大王には妻がいたとされている。つまり、大王は男だったはずである。 おそらく、聖徳太子は実際には大王だった。そう考えなければ、彼の...
中国仏教歴史
III. 忠と孝

リベラルと保守

1 リベラリズムとは、精神の自由を信じる立場である。保守とは、リベラリズムに賛同しない立場である。 そもそも保守という言葉には、反リベラリズムという意味しかなく、積極的な内容のある言葉ではない。その人が精神の自由を認めないならば、どんな立場であれ保守と呼ばれる。 では、リベラリズムの正当性はどこにあ...
思想政治
III. 忠と孝

人口爆発と気候変動

1 地球温暖化は人類共通の課題である。 では、温暖化を食い止めるために、我々は何をすればよいか。二酸化炭素を排出しない技術として、たとえば、クリーンエネルギーや電気自動車など、様々な製品が実用化されている。これらの新技術によって、温暖化を止めることはできるのだろうか。 おそらく不十分である。いくら新...
環境問題
III. 忠と孝

支那と中国

支那という言葉は仏典に出てくる。震旦や支那が、中国を指す言葉として使われている。つまり、インド人は、中国をシナと呼んでいたわけである。これが大航海時代にヨーロッパに伝わり、英語でチャイナ、イタリア語でチーナと呼ばれるようになった。その後、江戸時代の日本に入国しようとしたイタリア人宣教師が、幕府に捕ま...
中国歴史
III. 忠と孝

忠と孝

1 中国人にとって最も大切な徳目は、孝である。孝とは親孝行のことであり、親に仕える、親を大切にするということである。 ところが日本では、孝は二番目にくる。日本人にとって一番の徳は、忠である。忠とは忠誠であり、主に仕えるということであり、主従関係のことである。これは日本独特の文化であって、そもそも中国...
中国歴史環境問題
II. 作戦計画試案

作戦計画試案

1 現代は戦国時代である。百を超える国々が乱立し、それぞれが独自に法を作り軍隊を保有している。この国々を律する法はなく、弱肉強食の世界である。これが戦国時代でなくて、何なのか。我々はこの世界に覇を唱える。天下は統一されるべきである。 中核となるのは、日本、中国、ロシアの三カ国である。これに、できるだ...
政治
II. 作戦計画試案

壬申の乱

岡田英弘によれば、日本書紀は壬申の乱を下敷きにしている。 天智天皇が病に臥せたとき、大海人皇子は、大友皇子を後継者として推薦し、自らは吉野に隠棲した。しかし、天智天皇が死去すると、大海人皇子は単身吉野を出立し、兵を挙げた。吉野を出たときには皇子と護衛のみで、全く兵を引き連れていなかったにもかかわらず...
歴史