VII. 芸術と模倣婆子焼庵 婆子焼庵という公案がある。 あるところに一人の老婆がいた。彼女は信仰心が篤く、庵に住む修行者の世話をしていた。世話を続けるうちに、彼女はその修行者が気に入り、自分の娘と娶せようとした。だが仏道の妨げになるということで、修行者はそれを断った。老婆は怒り、庵に火をつけて修行者ごと燃やしてしまった。 とい... 2020.06.08VII. 芸術と模倣小論集2仏教
VII. 芸術と模倣運について 1 ある出来事の結果として、何が起きるか分からない、予想ができない、というときに、我々は運という言葉を使う。 たとえばコインを投げたときに、裏が出るか表が出るか、あらかじめ予想することはできない。そこで、表が出るに違いない、と思い込んでいると、いざ裏が出たときに困るわけである。そういう人は、運に翻弄... 2020.06.08VII. 芸術と模倣小論集2宗教思想
VII. 芸術と模倣夫婦別姓 1 日本は今でも夫婦同姓だが、夫婦別姓を認めるべきではないか、という意見が多く聞かれるようになった。 そもそも名字とは何かといえば、おそらくこれは家の名前だろう。個人の名前とは別に、親から受け継がれるものなのだから、家の名前と言ってよいと思う。そうすると、妻の名字が変わるかどうかということは、妻がど... 2020.06.08VII. 芸術と模倣小論集2ジェンダー中国文化
VII. 芸術と模倣芸術と模倣 1 芸術とは自然の模倣である。西洋人にとっては、それは自然の輪郭を模倣することである。絵画や彫刻はそれを理想としている。一方で東洋人にとっては、それは自然の運動を模倣することである。そしてこちらの方が、人間の原初的な認識に近いと考えられる。 自然を認識するとき、我々はまず動きを認識している。そのもの... 2020.06.08VII. 芸術と模倣小論集2アニメーション文化
VI. 知識人日本の戦略 1 日本政府はアメリカの言いなりになっている、とよく言われる。実際その通りである。それはなぜかといえば、グアムに米軍の基地があるからである。アメリカ政府は、その気になればいつでも日本を空爆できる。ゆえに、日本はアメリカに従わざるをえない。 サイパンの陥落は、ある意味で日本の降伏以上に重要な出来事であ... 2020.05.29VI. 知識人小論集2政治軍事
VI. 知識人自由主義と疎外 1 資本主義は必ず外部を必要とする。したがって、それは奴隷制と相性が良い。なぜならば、奴隷は常に市民社会の外に存在するからである。しかし、資本主義は階級社会の原因ではない。原因はリベラリズムである。 自由主義の本質は、自由意志の肯定である。それは人間の自由な意思を尊重し、それを否定し制限する要素を、... 2020.05.29VI. 知識人小論集2思想政治
VI. 知識人動機がない犯罪 1 すべての犯罪には必ず動機がある。動機がない犯罪もありうる、と主張する人間は、彼自身の犯罪を隠そうとしているだけである。犯罪というと大げさだが、良心の呵責をごまかすために、そういうことを言うのである。 彼が言いたいのは、誰もが犯罪を犯しうる、ということであり、さらに言えば、誰もがすでに犯罪を犯して... 2020.05.29VI. 知識人小論集2思想社会
VI. 知識人敬語について 日本語で敬語を使おうとする場合、文法に強い制約がかかる。 たとえば、天皇陛下の仕事はこれこれである、という文を考えてみよう。この文は、このままでは敬語にすることはできない。これを敬語にするためには、天皇陛下はこれこれの仕事をなさる、あるいは、おやりになる、というように、文の構造を変えなければならない... 2020.05.29VI. 知識人小論集2天皇文化
VI. 知識人近代国家から世界政府へ 1 近代国家という政治体制が確立されたのは、フランス市民革命と、それに続くナポレオンの時代だったと考えられる。つまり、フランスがヨーロッパで初めて近代国家となったわけであるが、その政治形態はフランスに留まらず、周辺国家へも波及してゆくことになる。 なぜ近代国家という政治機構は、瞬く間にヨーロッパ中に... 2020.05.29VI. 知識人小論集2政治歴史
VI. 知識人満洲とロシア 1 もしも中国共産党が、新疆地区のウイグル族は共産党の支配を喜んで受け入れている、と言ったとしても、多くの日本人はそれを信じないだろう。しかし同じ中国政府が、満洲事変は侵略戦争だった、と言えば、日本人は無条件でそれを信じる。これは不思議なことである。 当時の満洲で暮らしていた人々が、満洲国をどう評価... 2020.05.29VI. 知識人小論集2歴史満洲