仏教

論難に答える 第5回

仏教は思想か仏の教えの本質は次の偈に尽くされている。諸悪莫作 衆善奉行自浄其意 是諸仏教(悪いことをせず 善いことをして 心をきれいにしなさい これが諸仏の教えである)これを聞いて、当たり前のことではないか、と言う人がいる。仏の教えには中身がない、と。また、諸行無常という教えがある。すべてのものは移...
仏教宗教
仏教

論難に答える 第4回

哲学と因果律たとえば、因果律を定義することはできないとか、哲学的にそれを証明することはできない、という話がある。そうだとすれば、哲学には価値がないことになる。なぜならば、現実の出来事には全て原因があるのだから、それを説明することができない学問には何の価値もない。因果律の議論をする哲学者に対しては、次...
仏教記号論
アジア史

バラモンとクシャトリア

はじめにむかしアレキサンダー大王がインドに侵入したとき、土着の王族から激しい抵抗を受けた。彼はペルシャをたやすく征服し、アフガニスタンでは諸部族の抵抗に手こずったものの、七年がかりでこれを平定した。その後、遠征の目的地だったインドに攻め込んだが、そこで進軍の速度が落ちた。勝てなくなったのである。イン...
宗教歴史
新型ウイルス

我々はなぜ失敗したのか

何度目かの緊急事態宣言で、今年のGWも外出自粛である。中国やイスラエルなど、すでにワクチンによるウイルスの封じ込めに成功した国々は、以前の日常を取り戻している。一方、インドや日本など、いまだワクチン普及のめどが立たない国々は、感染予防に四苦八苦している。とくにインドは、二重変異株のせいでかなりの犠牲...
新型ウイルス
社会

教育論

教育の問題について書く。結論から言うと、一番の問題は親が口を出しすぎることである。ブラック校則たとえば、ブラック校則の問題がある。世の中には理不尽なほど厳しい校則があり、それで生徒が困っているという。どうしてそうなるかというと、親が望むからだろう。親としては、できるだけ安全な学校に我が子を通わせたい...
社会
仏教

論難に答える 第3回

認識論はいったん置いて、中論の話をしたいと思う。龍樹菩薩が著した『中論』第二章に、「去るものは去らず」という有名な議論がある。様々な先生がすでに解説をされているが、ここでは、アリストテレスの自然学と比較しながらこれを説明してみたい。なお、読者は中論の内容をある程度知っているものとして話を進める。中論...
仏教
仏教

論難に答える 第2回

因果律そもそも因果律とは何か、と疑問に思う人がいるかもしれない。とくにヨーロッパでは因果律を否定する議論が人気を博しており、これについては詳しい説明が必要だと思う。仏の言葉によれば、因果律とは  これあればこれあり、これなければこれなし  これ生じればこれ生ず、これ滅すればこれ滅すである。Aという事...
仏教
仏教

論難に答える 第1回

私は仏教徒であり、仏の教説を信じている。それは因果律であり、無我であり、涅槃である。世間にはこれらを否定する人々がいるので、彼らの主張を紹介し、一つずつ論破してゆこうと思う。自由意志ある人は自由意志の存在を主張する。人間には何ものにも左右されずに、自分の意志で自分の行動を決定する自由がある。それを自...
仏教
日本史

忠臣蔵

赤穂浪士の憤慨は、何も主君のためばかりではない。彼らは不正義に怒ったのである。浅野内匠頭と吉良上野介の処分には大きな隔たりがあり、それは喧嘩両成敗の原則に著しく反するものであった。なぜそのような不公平が生じたかというと、処分を下した幕府の役人に公の心が欠けていたからであり、つまり吉良に対する依怙贔屓...
政治歴史
政治

日本国策大綱

現在日本国は未曽有の危機の中にある。三十年来経済の停滞は続き、リーマンショックやコロナ禍による不況の中で市民の生活は圧迫され、格差が固定化されつつある。外交的には対米従属を脱け出せぬまま、中国の台頭を前にして右せんか左せんかと思い悩む。米軍基地と尖閣問題の板挟みにあって、日本政府は解決不能なジレンマ...
天皇政治