III. 漢字による平和

もしも米軍が本土に侵攻していたら

1日本は本土戦を回避するためにアメリカに降伏した。では、もしも本土戦が始まっていたら、どうなっていただろうか。日本は負けていただろうか。おそらく、負けなかっただろう。戦争はベトナムのように泥沼化し、長期化しただろう。そして十年くらい後に、どちらが勝ちとも負けともつかないまま、うやむやのうちに終わりを...
大東亜戦争天皇
II. アニメーションと日本語の感性

アニメーションと日本語の感性

1私はこれまで、たびたびアニメーションについて触れてきた。それはもちろん、私が好きだからというのもあるが、アニメーションを通して、日本的な感性を復活させようという狙いもある。パラパラ漫画などを描いたことのある人ならわかると思うが、アニメーションを作ろうとするとき、どの瞬間を切り取るか、ということが一...
アニメーション文化
II. アニメーションと日本語の感性

ロボットと人体

1人間型のロボットを動かすためには、関節部分にモーターを取り付ける必要がある。基本的には、一つの関節に一つのモーターを取り付ければ、関節を制御することは可能である。しかし、人間の体についている筋肉の数は、それよりもずっと多い。一つの関節に対して、三つも四つも筋肉がついているのである。モーターは、関節...
アニメーション科学
II. アニメーションと日本語の感性

京都アニメーションと動画工房

1京都アニメーションは、三次元を意識したアニメーション制作をしていたと思う。それは立体的というより、カメラを意識した画作りと言うべきだろう。京アニは演出がうまい。床に反射した光や、カメラのレンズでぼやけた光など、様々な表情の光を丁寧に描く。そして光を描くということは、空間を描くということである。それ...
アニメーション
II. アニメーションと日本語の感性

『西遊記』と『ベルセルク』

私は西遊記が好きで、漫画では諸星大二郎の『西遊妖猿伝』が大好きである。私は、西遊記で一番重要なキャラクターは沙悟浄だと思う。悟空と八戒はアクが強く、この二人だけだと収まりがよくない。悟浄が加わって三人になることで、ようやく旅の仲間としてまとまりが出てくる。『妖猿伝』でも、悟浄が出てくる大唐編の終盤ま...
文化
I. 思想雑感

貨幣によらない経済学

私は大学で物理学をやっていた。物理学には様々な方程式があり、その解き方を学ばないといけない。だから、計算が得意じゃないと物理学なんてできないだろう、と思われることもあるが、そうでもない。方程式は、計算のためにあるというよりは、現実に起きていることをイメージするためにある。たとえば、トンビが空から急降...
経済
I. 思想雑感

十二支縁起とは何か

仏教には十二支縁起という考え方がある。これは仏教の本質と言ってもよいものであり、非常に重要な考え方なので、ここで説明してみたいと思う。簡単に言えば、カテゴリーを横断する思考法である。十二支とは次のようなものである。 無明によりて行があり、 行によりて識があり、 識によりて名色があり、 名色によりて六...
仏教
I. 思想雑感

フレイザーと迷信の問題

1以前の投稿に続いて、フレイザーの問題について、もう少し考察してみたい。たとえば『金枝篇』第一部第十七章において、彼は次のように述べている。「王の在世中は火を燃やし続け、その死に際して火を消す慣習は、たとえ迷信に由来するものでないにしても、自然と迷信的な解釈へと導くだろう。ある出来事のしるしと原因の...
宗教思想
I. 思想雑感

白川静と呪術

1白川静の文字学は、非常に整っていて面白い。文字同士の関係が見事に整理されており、漢字の構造をほぼ明らかにしていると言える。ただ、彼の漢字解釈は呪術に基づく部分が多く、その点が分かりにくい。たとえば、口(さい)の字を呪告を入れた箱だとする解釈が、彼の漢字学の基礎をなしている。だが、どうしてそのような...
中国思想
I. 思想雑感

女人成仏

仏教は男尊女卑だと言う人がいるが、それは当たらない。女人の成仏が難しいと言われるのには理由があり、とくに女性を卑しんでいるわけではない。卑しいといえば男性女性に限らず仏以外はすべて卑しいのであって、天上天下唯我独尊というのが仏教の本質である。つまり唯仏独尊である。むかし白隠慧鶴という禅僧がいた。この...
ジェンダー仏教