IV. 日本の平和

社会の構造

1ひきこもりの問題が示しているのは、この社会の構造である。現代社会の構造を支えているのは、ただ一つ家庭だけである。人間はどこまで行っても家族から自由になることはできず、家族関係の中にとらわれ続けるしかない。戦前であれば、軍隊生活というものが、ある程度は社会の構造を支えていた。多くの人間が軍隊での生活...
社会
IV. 日本の平和

歴史と文学

1物語は面白くなければならない。どれほど人に伝えたいことがあっても、話がつまらなければ聞いてもらえない。聞いてもらえなければ、話す価値もない。だから、人に伝える価値がある物語ほど、面白くなければならない。ゆえに、歴史は最も面白い物語でなければならない。歴史ほど、人に伝える価値のあるものはないからであ...
歴史
IV. 日本の平和

森友学園問題

1 二〇一八年三月、森友学園の国有地払い下げ問題に関連して、財務省で公文書の改ざんが行われていたことが発覚した。一部報道によれば、事件の真相は、安倍首相夫人と交友があった同学園の籠池理事長のために、首相本人が口利きをした事実を隠蔽するためのものだったという。もちろん、報道の通りに隠蔽が実行されたのだ...
政治
IV. 日本の平和

表現の自由

1表現の自由とは、正しいことを言う自由である。間違ったことを言う自由は存在しない。この点に混乱があると思う。仏教では、身・口・意の三業に気をつけろと言う。このうち身と意、つまり身体と心の行いに気をつけろ、というのは現代の人にもよく分かると思う。しかし、口の行いに気をつけろ、というのは理解しにくいので...
社会
IV. 日本の平和

責任

責任をとるとはどういうことだろうか。ある人が言うには、人間には、責任をとることなどできない。だから、できることを精いっぱいやればいい、のだそうだ。そういう人の話をよく聞いてみると、「責任がある」という文を、「責任」という名詞と「ある」という動詞に分解して考えていることが分かる。次に彼は、この文は「責...
社会
IV. 日本の平和

学者

ある種の学者たちは、西洋の学問にどれほど価値があるか、ということを盛んに説いている。そういう人々は、ヨーロッパの学問だけが真実であって、それ以外はまやかしである、という印象を人に植え付けようとしている。いまだにこういう人たちがいるのは不思議ではあるが、かといって、彼らの活動を非難すべき理由もない。た...
社会
IV. 日本の平和

日本の平和

1 現在の日本が平和なのは、東南アジアが独立しているからである。昔は、東南アジアはヨーロッパ諸国の植民地だった。そのため、宗主国の意思によって、そこで産出される資源の使い方が決定された。宗主国が日本に敵意を持つならば、日本への資源の輸出を差し止めることもできた。それが戦争のきっかけになりえたのである...
歴史
III. 北京語と漢文

善と利益

1日本人が利に聡いと言うと、不審に思う人もいるかもしれない。日本人は人がいいので損ばかりしている、というイメージを持っている人もいるだろう。しかし、善を為すほど利益になることはない。善を為すほど、人の立場は強まる。悪事を為して利益を上げようとする人間は、その言い訳をしなければならなくなる。それだけで...
仏教文化
III. 北京語と漢文

日本人の道徳

1聖徳太子は十七条憲法の第二条で、仏法は「万国の禁宗」であると述べている。これは、仏法が、あらゆる国に通用する普遍的な法であることを宣言しているのである。太子はこの認識に基づいて、隋の皇帝に「日出処の天子」から始まる有名な国書を送った。皇帝の反発によってこの試みは失敗に終わったが、国書の目的は、日本...
仏教歴史
III. 北京語と漢文

満洲事変について

中国人が満洲事変に驚いたのは、まさかそんなことができるとは思っていなかったからである。当時の関東軍の兵力は一万足らずで、装備は旧式だった。対する張学良の軍勢は十数万と言われ、装備の面でも優れていた。このような状況で、日本側が事を起こすとは誰も思わなかったし、ましてそれが成功するとは考えられなかっただ...
歴史満洲