II. 思想論集

政治と学問

1民主主義であろうが何主義であろうが、実際に政治を行うのは一人の人間である。ゆえに、政治の場で問題となるのは、その人間の資質である。多くの人々に選ばれたからといって、その瞬間に、その人が優秀な人間に変わるわけではない。ゆえに、問題は、いかにして良い資質を持った人間を育てるか、ということであって、どん...
思想政治
II. 思想論集

捕鯨について

1国際捕鯨委員会(IWC)では、多数決をとっているそうである。反対が多数の場合、すべての加盟国の捕鯨活動は禁止され、賛成が多数の場合、捕鯨は許可される。しかし、そもそも多数決をとる必要などない。捕鯨をしたい国はすればよいし、したくない国はしなければよい。そして、捕鯨をする場合、どのような基準に則って...
思想科学
II. 思想論集

マルクスについて

1マルクスの思想について、私の考えを述べておきたい。まず、基本的なことから。私はすでに、アリストテレスとプラトンの哲学を批判している(「空の論証」)。そのため、マルクスの思想に関しても、根本的にはすでに批判が終わっていると考えることができる。なぜなら、マルクスの思想も、アリストテレス哲学の範囲内に収...
思想経済
I. 歴史論集

軍隊の強さ

1近代国家の擁する国民軍が強力なのは、兵隊が死を厭わないからである。たとえば、傭兵は金のために戦う。ゆえに、自分の命をかけてまで戦おうとは思わない。だから、国民軍と傭兵部隊が戦えば、必ず国民軍が勝つ。ナポレオン率いるフランス軍が強かったのは、彼らが国民軍であるのに対して、敵は傭兵部隊だったからである...
歴史軍事
I. 歴史論集

日本的近代

近代とは何か。近代は、工業化と資本主義、それに対抗する思想としての共産主義など、様々な要素によって特徴づけられる。共産主義が歴史に現れるに際して、日本は重要な役割を果たした。日露戦争における日本の勝利がロシア革命を引き起こし、ロシア帝室の権威を低下させた。その後、第二革命によってロシア帝国は滅ぼされ...
仏教思想歴史
I. 歴史論集

法治主義

1法治主義とは、暴力による支配である。法を破った者を暴力によって処罰することで、法の下での秩序が保たれる。対外的にはこれが、覇権主義の形をとる。国際問題を解決するために暴力を用いるということは、結局、国内における法治主義を対外関係にまで延長したものに他ならない。法治国家にとって、戦争は内政の延長であ...
思想政治
I. 歴史論集

明治憲法と日本の国体

1明治憲法は立憲君主制を謳っていると言われるが、私には専制君主制であるように見える。なぜなら、陸海軍を統帥するのは天皇であると、はっきり規定されているからである。しかし、実際に天皇が憲法どおりの振る舞いをしたことはなかった。おそらく維新の元勲が生きていたころには、阿吽の呼吸で国政が行われていたのだろ...
天皇歴史
I. 歴史論集

ナチスとヴェルサイユ

1ナチス政権が生まれたのは、ドイツ人が特別に残虐だったからではない。英米仏の愚かさと、ヴェルサイユ条約がヒトラーを生んだのである。基本的には、ナチズムは間違っていなかった。不条理な国際体制に対する反発という意味でも、強力な国家の建設という意味でも、決して間違いではない。ただ、我々に理解できないのは、...
歴史
I. 歴史論集

アメリカの参戦

1どうしてアメリカは第二次大戦に参加したのか、ということは、現代史における一つの謎である。当時アメリカは中立を宣言しており、戦争に参加する理由はないように思えた。ナチスドイツとの関係も悪くはなく、ヒトラーはむしろアメリカとの戦争を避けようとしていた。また、アメリカ国民も戦争に反対しており、自国が中立...
大東亜戦争歴史
I. 歴史論集

大東亜戦争の真意

1大東亜戦争は、日本の侵略戦争だったと考える向きがある。たとえば、日本軍はビルマを占領し、日本による支配体制を確立しようとした。それが、日本の植民地支配の意図を証明している、という意見がありうるだろう。しかし、もしも日本軍が、ビルマからイギリス軍を排除した後に、ビルマの防衛態勢を整えなかったとしたら...
大東亜戦争歴史