仏教

論難に答える 第4回

哲学と因果律 たとえば、因果律を定義することはできないとか、哲学的にそれを証明することはできない、という話がある。そうだとすれば、哲学には価値がないことになる。なぜならば、現実の出来事には全て原因があるのだから、それを説明することができない学問には何の価値もない。 因果律の議論をする哲学者に対しては...
仏教記号論
心の科学

心について(2)

言語とは何か。脳科学によって言語機能を解明することは可能だろうか。 可能である。私が意味ニューロンの存在を仮定したのは、言語機能を科学的に理解するためである。 おばあさん細胞 おばあさん細胞の話を知っている人はいるだろうか。ある科学者が、被験者の脳内に、自分のおばあさんの顔を見たときにだけ反応する神...
科学
仏教

三界の狂人(2)

現代人は現実よりも言葉を重んじる。これは貨幣をめぐる問題についても同様である。 貨幣 格差とは何か。格差とは、貨幣の保有量が人によって異なる、ということである。多くの貨幣を保有している人もいれば、少ない貨幣を保有している人もいる。これが格差である。 では、貨幣とは何か。貨幣とは銀だろうか。貨幣とは紙...
仏教社会
心の科学

心について

このHPでは、まだあまり心の話をしていなかった。人間の心について、私が知っていることを話したいと思う。 まず、心と脳の関係について考えてみたい。心と脳の間に何らかの関係があることは確かである。だが、心と脳が同じものかどうか、という質問はナンセンスである。なぜならば、脳は目で見ることができるが、心を目...
科学
仏教

三界の狂人

空海が言ったように、世間の人々はみな狂人である。それはどういうことだろうか。 因果律 簡単に言うと、仏の教えとは因果律である。これを聞くとみな、因果律くらいは知っているという顔をするのだが、全く理解できていない。世間の人は因果律というものを、物理現象を意味するものだと考えているが、それだけでなく、人...
仏教環境問題
IV. 恥の文化

徳の教育、知性の教育

1 AIと人間の違い カンガルーの顔を見ると、いつも不思議な気分になる。鹿の顔のようにも見えるし、ウサギのようにも見えるし、馬のようにも見えるが、そのどれとも違う。どこかで見たような気がするけれども、いままで見たどの動物とも違う。カンガルーの顔はカンガルーの顔としか言いようがないのだが、なんとなく何...
社会記号論
心の科学

意味ニューロンの解説

1 チョムスキーの生成文法は、文章の構成規則を説明するものであり、言語に対する本質的な理解とはなりえない。生成文法は、いわば言語の表層を扱う理論である。 彼は、言語学を科学にすることを目的にしているらしいが、彼のやり方では難しいと思う。なぜなら科学とは、仮説を立ててそれを検証することではなく、因果律...
VI. 記号心理学

記憶の不思議

ときどき、魚の名前をよく記憶している子供がいて、どんな魚も漢字で書けたりする。あるいは、虫の種類や恐竜の種類などを、瞬時に見分ける博物学者がいる。彼らがどれだけの知識を持っているのか、常人には見当もつかない。 このように人間の場合、知識の量が増えれば増えるほど、新しい知識を記憶しやすくなる傾向がある...
科学
VI. 記号心理学

人間精神についての簡単な解説

自由意志が存在しないのだとすれば、物質としての人間がどうして精神を持ちうるのか、という問いに答えねばならない。 ここで我々は、他人の精神をどのようにして知るのか、ということを考える必要がある。そうすると、それは他人の行動や言葉を通して知られる、ということが分かる。あの人は賢い、愚かだ、親切だ、ケチだ...
思想科学
VI. 記号心理学

記号心理学

情動は記号の一部であり、解釈項として理解できる。たとえば、お腹が空いているときに、あなたの目の前に美味しそうなりんごがあったとしよう。あなたは手を伸ばしてりんごを取り、食べる。このとき、あなたはりんごを見て食欲がわき、それに突き動かされて、りんごを食べたわけである。 このように、その個体にある特定の...
科学記号論