I. 反知性主義仙台市の観光資源 1 戊辰戦争のとき、仙台藩は奥羽越列藩同盟の盟主として戦いに参加し、千人以上の戦死者を出した。彼らの魂を弔うための石碑が、伊達家の霊廟である瑞鳳殿の境内に、いまも立っている。瑞鳳殿には外国の観光客もよく来ているようだが、彼らがどれだけその場所を理解できているのか、はなはだ心もとない。戊辰戦争の弔魂... 2020.06.14I. 反知性主義小論集3歴史
I. 反知性主義植民地 1 太平洋戦争は明らかに日本の勝ちである。それをアメリカの勝ちだと思いこんでいる人間が多いのは、日本が降伏したから日本の負けなのだ、と単純に考えているせいだろう。 たとえば将棋であれば、どちらが勝ったのかはひと目で分かる。王将を取ったほうが勝ちなのだから、これは分かりやすい。しかし囲碁の勝負ならば... 2020.06.14I. 反知性主義小論集3歴史
I. 反知性主義反知性主義 アメリカの歴史を決定しているのは、二種類の勢力の争いである。一つは旧世界、ヨーロッパの伝統をアメリカに持ち込もうとする人々である。もう一つは、ヨーロッパ的な伝統から抜け出して、本当の意味での新世界を実現しようとする人々である。 基本的には、前者が後者を圧倒している。ある人々は、旧世界で実現できなかっ... 2020.06.14I. 反知性主義小論集3歴史
VII. 芸術と模倣歴史と言葉 1 歴史書に書かれていることは、基本的に真実だと考えるべきである。もちろん、複数の歴史書の記述が食い違っていたり、あるいは歴史書の記述が考古学的な資料と矛盾していたならば、真偽を疑うべき根拠となりうる。しかしそういう証拠がない場合には、むやみに書物を疑うべきではない。 本当のことを書き残したい、と... 2020.06.08VII. 芸術と模倣小論集2政治文化歴史
VI. 知識人近代国家から世界政府へ 1 近代国家という政治体制が確立されたのは、フランス市民革命と、それに続くナポレオンの時代だったと考えられる。つまり、フランスがヨーロッパで初めて近代国家となったわけであるが、その政治形態はフランスに留まらず、周辺国家へも波及してゆくことになる。 なぜ近代国家という政治機構は、瞬く間にヨーロッパ中... 2020.05.29VI. 知識人小論集2政治歴史
VI. 知識人満洲とロシア 1 もしも中国共産党が、新疆地区のウイグル族は共産党の支配を喜んで受け入れている、と言ったとしても、多くの日本人はそれを信じないだろう。しかし同じ中国政府が、満洲事変は侵略戦争だった、と言えば、日本人は無条件でそれを信じる。これは不思議なことである。 当時の満洲で暮らしていた人々が、満洲国をどう評... 2020.05.29VI. 知識人小論集2歴史満洲
V. 倭国と隋の外交政策民族主義 前世紀の日中戦争に見られるような、民族主義によって戦争が過激化するという現象は、西洋文明がもたらした惨禍の一つである。中国には、もともと自民族中心主義ともいえる中華主義が存在したが、その傾向は、西洋的な民族主義の影響によってさらに過激なものとなった。 西洋人は存在にこだわる。何かが存在するという考... 2020.05.09V. 倭国と隋の外交政策小論集2思想歴史
V. 倭国と隋の外交政策大清国について 大清国は伝統的な中国王朝の一つに過ぎなかった、というのは、中華主義を宣伝しようとする中国人の屁理屈である。 たしかに、清代の中国でも科挙は行われていた。しかし、それによって役人に採用された漢人が関与できたのは、中国の政治だけであった。彼らは、大清国全体の政治に与れたわけではない。つまり、清国そのもの... 2020.05.09V. 倭国と隋の外交政策小論集2中国歴史
V. 倭国と隋の外交政策倭国と隋の外交政策 1 聖徳太子が隋の皇帝に送った国書に関しては、様々な議論があるようである。しかし、この問題は、中国と日本の二国だけの問題ではない。この時期の東アジア全域の国際関係に、目を向ける必要がある。 南北朝から隋の時代にかけて、東南アジアを含むアジア諸国の間で、仏教的な形式をとった外交関係が顕著に見られる... 2020.05.09V. 倭国と隋の外交政策小論集2中国仏教歴史
I. 科学と信用正義の必要性について 1 最近の世間では、正義は嫌われているようである。いわく、正義を振りかざすことは何も生まない。いわく、相手の罪を許すことが必要である、和解が必要である、と。 しかし、それで得をするのは誰なのか。罪を許すことで得をするのは誰なのか。正義を諦めることで得をするのは誰なのか。 得をするのは悪人だけであろう... 2020.04.09I. 科学と信用小論集2宗教政治歴史