I. 科学と信用死者への冒涜 死人には口がない。誰かが彼のことを悪く言っても、彼自身にはそれを否定することができない。ゆえに、死者の名誉を守ることは生者の義務である。 死者を悪く言うべきではない。死者を冒涜するべきではない。それは生者のおごりであり、恥ずべきことである。 戦争は悪だ、と言うことは別に構わないと思う。しかし、戦死者... 2020.04.09I. 科学と信用小論集2歴史
VII. 遊牧民の世界史東条英機 1 率直に言って、大東亜戦争の作戦指導は不可解である。 戦争の歴史を知る人なら分かると思うが、戦線を拡大するということは、常に危険なことである。戦線が伸びると、そのぶん一箇所に配置できる兵力が少なくなるので、敵に突破されやすくなる。とくに味方の兵力が少ない場合には、戦線をむやみに拡大することは禁物で... 2020.04.06VII. 遊牧民の世界史小論集1大東亜戦争歴史
VII. 遊牧民の世界史宗教と歴史 1 文化の違いが相互理解を阻むということは、よくあることである。日本人の場合、戦争の巧みさで他の人々を評価するところがある。このあたりが、宗教的な人間には理解しにくいらしい。 キリスト教やイスラム教では、戦争や暴力を軽蔑するところがあって、そういう話をあまり好まない。ペルシャ人などは、昔はキュロス大... 2020.04.06VII. 遊牧民の世界史小論集1宗教歴史
VII. 遊牧民の世界史朝鮮半島 1 太平洋は広い。広大である。その太平洋を挟んだ反対側にある極東において、アメリカの政治的な力が発揮されるということが、本当にありうるだろうか。 極東におけるアメリカの力は、本質的には日本の力である。日本が発揮する力に、アメリカという名札を貼り付けただけの、いわば産地偽装商品である。 朝鮮半島の政治... 2020.04.06VII. 遊牧民の世界史小論集1歴史
VII. 遊牧民の世界史遊牧民の世界史 1 遊牧民の世界と中原とは、おそらく不可分のものである。古来、遊牧民の活動が中国の農耕民に影響を与え、また逆にその影響を受けてきた。 遊牧民といっても、彼らだけで自足できるわけではない。羊を引き連れて生活するために、タンパク質が不足することはないが、穀物は農耕民から手に入れるしかない。そのため、彼ら... 2020.04.06VII. 遊牧民の世界史小論集1中国歴史
VI. 仏教と表現戦争責任と慰霊 1 日本人はもしかすると、加害者と同化することによって、自分が被害者であったことを忘れようとしているのかもしれない。 日本はかつて欧米による侵略の被害者であった、というか被害者になりかけた。結局、戦争によってそれを退けることができたのだが、その被害者としての記憶を忘れるために、自分は加害者だと思い込... 2020.04.05VI. 仏教と表現小論集1歴史
IV. 日本の平和歴史と文学 1 物語は面白くなければならない。どれほど人に伝えたいことがあっても、話がつまらなければ聞いてもらえない。聞いてもらえなければ、話す価値もない。だから、人に伝える価値がある物語ほど、面白くなければならない。 ゆえに、歴史は最も面白い物語でなければならない。歴史ほど、人に伝える価値のあるものはないから... 2020.03.25IV. 日本の平和小論集1歴史
IV. 日本の平和日本の平和 1 現在の日本が平和なのは、東南アジアが独立しているからである。昔は、東南アジアはヨーロッパ諸国の植民地だった。そのため、宗主国の意思によって、そこで産出される資源の使い方が決定された。宗主国が日本に敵意を持つならば、日本への資源の輸出を差し止めることもできた。それが戦争のきっかけになりえたのである... 2020.03.24IV. 日本の平和小論集1歴史
III. 北京語と漢文日本人の道徳 1 聖徳太子は十七条憲法の第二条で、仏法は「万国の禁宗」であると述べている。これは、仏法が、あらゆる国に通用する普遍的な法であることを宣言しているのである。 太子はこの認識に基づいて、隋の皇帝に「日出処の天子」から始まる有名な国書を送った。皇帝の反発によってこの試みは失敗に終わったが、国書の目的は、... 2020.03.21III. 北京語と漢文小論集1仏教歴史
III. 北京語と漢文満洲事変について 中国人が満洲事変に驚いたのは、まさかそんなことができるとは思っていなかったからである。 当時の関東軍の兵力は一万足らずで、装備は旧式だった。対する張学良の軍勢は十数万と言われ、装備の面でも優れていた。このような状況で、日本側が事を起こすとは誰も思わなかったし、ましてそれが成功するとは考えられなかった... 2020.03.21III. 北京語と漢文小論集1歴史満洲