最近ようやく、夫婦別姓の意味が分かった。あれは名字を廃止するということだ。
たとえば、次のようにすれば、選択的夫婦別姓と同じ効果が得られる。まず、日本人の名前から名字を廃止して、個人名だけにする。いま名字を持っている人は、それが個人名に付け加えられ、名字を失う。結婚したときには、個人名を変更する権利が与えられるが、変更しなくてもよい。
名字は本来、個人の名前ではなく、家の名前である。だが個人主義の時代にあっては、家の名前など必要なく、個人名だけで十分なのだ。リベラリストたちは、選択的夫婦別姓などという詐欺まがいの言葉を使わずに、彼らの思想を端的に表現する、名字廃止、という言い方をするべきであろう。