防衛費増額は自衛隊を強くするか

いま、日本政府は軍事費を増やそうとしている。復興予算を防衛予算に流用する、という話まで出ている。南シナ海における中国軍の活発な動きや、北朝鮮のミサイル実験に呼応するものだと思うが、こんなやり方で軍備を拡張しても、軍は強くならないだろう。

国会では敵基地攻撃能力が議論されている。これはミサイル攻撃のことを意味するらしいが、最も確実な敵基地攻撃能力が陸軍であることは論を待たない。したがって、自衛隊に必要な装備はミサイルでもイージス艦でもなく、強襲揚陸艇である。陸上自衛隊をどうやって敵地に上陸させるかが、日本政府にとって最大の関心事であるべきである。ミサイルなどどうでもよい。

日本は資源の乏しい島国なので、海上封鎖を行われれば確実に負ける。したがって、戦争に勝つためにはこちらから打って出るしかない。そのための必要最低限の条件が上陸作戦の成功であり、これが実現できなければ、戦争など寝言にすぎない。

政府与党は国民の恐怖心をあおって軍備を拡大しようとしているが、そのやり方は間違っている。我々はまず、我々が戦うべき戦争の具体的な姿を思い描かねばならない。もしも中国と戦うのであれば、陸上自衛隊は台湾人の協力のもと、上海から中国大陸に上陸するべきである。そこから西進して南京を制圧し、さらに武漢を陥落させる。これが作戦の第一段階となる。

こうした作戦を実行するために必要な装備は何か。まず強襲揚陸艇が必要であり、上陸部隊を掩護するための種々の装備が必要になる。また、上陸作戦を想定した訓練も必要であることが分かる。このように、実行すべき作戦から逆算して装備を調え、部隊の訓練を行わなければ、役に立つ軍隊は作れない。やみくもに最新鋭の装備を購入するだけでは、軍は弱いままである。

漠然とした恐怖に基づいた抽象的な軍拡は、国民の負担を増やすだけで何の得もない。いま政府が進めている軍拡は間違った軍拡であり、軌道修正が必要である。

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