仏教論難に答える 第7回 数ある宗派の中でも、浄土真宗は国内外からの批判にさらされることが多い。彼らは法衣を着ながら酒を飲み、妻をめとる。それで本当に僧侶と言えるのか、本当に仏教なのか、と。今回は浄土真宗について解説したい。真宗の意義まず歴史背景から考察しよう。浄土真宗は親鸞が開いた宗派であるが、彼に先行して、師匠の法然が浄... 2021.07.31仏教仏教
仏教論難に答える 第6回 輪廻今回は輪廻について話そうと思う。人は死んだあと、別の世界に生まれ変わる。生前に積んだ業によって、天に生まれたり、地獄に生まれたり、畜生や餓鬼になったり、再び人間になったりする。さて、こんなことが本当にあるのだろうか。正直に言って、分からない。なぜならば、私はまだ死んだことがないからである。死んだ... 2021.07.04仏教仏教社会
仏教論難に答える 第5回 仏教は思想か仏の教えの本質は次の偈に尽くされている。諸悪莫作 衆善奉行自浄其意 是諸仏教(悪いことをせず 善いことをして 心をきれいにしなさい これが諸仏の教えである)これを聞いて、当たり前のことではないか、と言う人がいる。仏の教えには中身がない、と。また、諸行無常という教えがある。すべてのものは移... 2021.07.04仏教仏教宗教
仏教論難に答える 第4回 哲学と因果律たとえば、因果律を定義することはできないとか、哲学的にそれを証明することはできない、という話がある。そうだとすれば、哲学には価値がないことになる。なぜならば、現実の出来事には全て原因があるのだから、それを説明することができない学問には何の価値もない。因果律の議論をする哲学者に対しては、次... 2021.05.12仏教仏教心記号論
仏教論難に答える 第3回 認識論はいったん置いて、中論の話をしたいと思う。龍樹菩薩が著した『中論』第二章に、「去るものは去らず」という有名な議論がある。様々な先生がすでに解説をされているが、ここでは、アリストテレスの自然学と比較しながらこれを説明してみたい。なお、読者は中論の内容をある程度知っているものとして話を進める。中論... 2021.04.21仏教仏教
仏教論難に答える 第2回 因果律そもそも因果律とは何か、と疑問に思う人がいるかもしれない。とくにヨーロッパでは因果律を否定する議論が人気を博しており、これについては詳しい説明が必要だと思う。仏の言葉によれば、因果律とは これあればこれあり、これなければこれなし これ生じればこれ生ず、これ滅すればこれ滅すである。Aという事... 2021.04.20仏教仏教
仏教論難に答える 第1回 私は仏教徒であり、仏の教説を信じている。それは因果律であり、無我であり、涅槃である。世間にはこれらを否定する人々がいるので、彼らの主張を紹介し、一つずつ論破してゆこうと思う。自由意志ある人は自由意志の存在を主張する。人間には何ものにも左右されずに、自分の意志で自分の行動を決定する自由がある。それを自... 2021.04.19仏教仏教
仏教魔と仏 妙法蓮華経譬喩品において、舎利弗は次のように述べている。初め仏の説きたもう所を聞きて心中大いに驚き疑いき将に魔の仏と作なりて我が心を悩まし乱すに非ずやと・・・世尊は実の道を説きたもうも波旬(魔)には此の事無し是を以て我は定めて知りぬ是れ魔の仏と作れるには非ずと我は欺網に堕せるが故に是れは魔の所為と謂... 2021.04.15仏教仏教宗教
仏教乞食大燈、あるいは天皇と仏陀 むかしどこかの博物館で、白隠の絵を見たことがある。禅に関する絵が多く、厳しい坊さんだったんだな、と感じた。その中に『乞食大燈図』というのがあって、私はこれを見てはじめて大燈国師を知った。国師とは、天皇に仏法の手ほどきをするような、偉い坊さんに与えられる称号である。彼について面白い話が伝わっている。大... 2021.01.30仏教仏教天皇歴史
仏教三界の狂人(2) 現代人は現実よりも言葉を重んじる。これは貨幣をめぐる問題についても同様である。貨幣格差とは何か。格差とは、貨幣の保有量が人によって異なる、ということである。多くの貨幣を保有している人もいれば、少ない貨幣を保有している人もいる。これが格差である。では、貨幣とは何か。貨幣とは銀だろうか。貨幣とは紙だろう... 2021.01.20仏教仏教心社会