仏教

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論難に答える 第1回

私は仏教徒であり、仏の教説を信じている。それは因果律であり、無我であり、涅槃である。世間にはこれらを否定する人々がいるので、彼らの主張を紹介し、一つずつ論破してゆこうと思う。自由意志ある人は自由意志の存在を主張する。人間には何ものにも左右されずに、自分の意志で自分の行動を決定する自由がある。それを自...
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魔と仏

妙法蓮華経譬喩品において、舎利弗は次のように述べている。初め仏の説きたもう所を聞きて心中大いに驚き疑いき将に魔の仏と作なりて我が心を悩まし乱すに非ずやと・・・世尊は実の道を説きたもうも波旬(魔)には此の事無し是を以て我は定めて知りぬ是れ魔の仏と作れるには非ずと我は欺網に堕せるが故に是れは魔の所為と謂...
仏教宗教
思想

法治主義の限界

1法治主義とは、法によって社会秩序を実現できる、という思想であり、より積極的には、法によってのみそれが可能だ、という思想である。しかしながら法の力には限界がある。なぜならば、「嘘をついてはいけない」という法律を作ることはできないからである。法律は、すべての人間が正直であることを前提としている。という...
仏教思想社会
思想

リベラリズムと議論の不毛さについて

「ネットは世の中変えないどころか、むしろ悪くしている」批評家・東浩紀が振り返る ネットコミュニティの10年—— とすると、もう我々にはネットで議論することは難しいという感じなんでしょうかいまはもう難しいですね。議論というのは本来、論点を抽出して、その勝敗を決めれば誰もが納得する結論が出るというもので...
仏教思想
仏教

乞食大燈、あるいは天皇と仏陀

むかしどこかの博物館で、白隠の絵を見たことがある。禅に関する絵が多く、厳しい坊さんだったんだな、と感じた。その中に『乞食大燈図』というのがあって、私はこれを見てはじめて大燈国師を知った。国師とは、天皇に仏法の手ほどきをするような、偉い坊さんに与えられる称号である。彼について面白い話が伝わっている。大...
仏教天皇歴史
仏教

三界の狂人(2)

現代人は現実よりも言葉を重んじる。これは貨幣をめぐる問題についても同様である。貨幣格差とは何か。格差とは、貨幣の保有量が人によって異なる、ということである。多くの貨幣を保有している人もいれば、少ない貨幣を保有している人もいる。これが格差である。では、貨幣とは何か。貨幣とは銀だろうか。貨幣とは紙だろう...
仏教社会
仏教

三界の狂人

空海が言ったように、世間の人々はみな狂人である。それはどういうことだろうか。因果律簡単に言うと、仏の教えとは因果律である。これを聞くとみな、因果律くらいは知っているという顔をするのだが、全く理解できていない。世間の人は因果律というものを、物理現象を意味するものだと考えているが、それだけでなく、人間の...
仏教環境問題
政治

司法の問題点

最近、司法のあり方に疑問を感じるようになった。私はもともと、法治主義には否定的である。法による支配とは暴力による支配であり、これが帝国主義を促進してきた側面もあると考えている。私はこれに代わる政治理念として、徳治主義を提案している。これについては別の記事にゆずる。たとえば先日、爆笑問題の太田光が、週...
仏教政治社会
IV. 恥の文化

輪廻と主体性

宿業という言葉がある。前世の行いによって、今世における自分の状況が決定される、という考えである。貧乏な人は、前世で泥棒をしたからそうなったとか、飢餓に苦しむ人は、前世で食べ物を粗末にしたのだ、とか言われる。こういった話にどんな意味があるのだろうか。ここにあるのは絶対的な主体性である。自分が置かれてい...
仏教
IV. 恥の文化

ポスト・トゥルース

最近はフェイクニュースが流行っていて、人々は、どうすればだまされずにすむか、ということに興味を抱いている。また、ポスト・トゥルースという言葉もあって、もはや真実など必要ない、と考える人もいる。だが、人間社会にフィクションが蔓延しているのは、いまに始まったことではなく、歴史の始まりから、人はフィクショ...
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