科学

II. 二つの進化論

銀河生物学

おそらく、地球生命の起源は別の恒星系にある。 かつてある知的生命体が、別の恒星系の惑星に生命を送り込む方法を見つけた。彼らは、生命が生息可能な環境を持つ惑星を見つけ出し、そのすべてに微生物を送り付けた。その中の一つが地球である。地球にたどり着いた生命は進化を始め、様々な生物が生み出された後に、人類が...
科学
II. 二つの進化論

ミラーニューロン

同種の個体の行う動作を模倣できるということは、その個体にとって適応的でありうる。たとえば、他の個体が特殊な行動によって餌を獲得するのを目撃した後で、その行動を模倣する能力を持つということは、個体の生存に有利に働くだろう。 そして、このような模倣を行うために必要なことは、他個体の動作を、自分自身の身体...
科学
II. 二つの進化論

遺伝子の発現

個体の成長において、遺伝子はどのような役割を果たしているのだろうか。 生命体の成長がすべて、どのタイミングでどの遺伝子がどれだけ発現するか、ということによって決まっているのだとすれば、最も重要な問題は、遺伝子が発現するタイミングを決めているのは何か、ということになる。 最近の発生学では、染色体上の遺...
科学
II. 二つの進化論

獲得形質の遺伝

最近の生物学では、エピジェネティクスが一つの分野として確立されつつあるらしい。だがそれは、明らかに獲得形質の遺伝の可能性を示唆している。 たとえば、ある遺伝子に対するエピジェネティックな抑制が、何世代も続いたとしよう。エピジェネティックな修飾によって、その遺伝子の発現が完全に阻害されていたとしたら、...
科学
II. 二つの進化論

二つの進化論

1 現代の人々は、進化論と聞くとダーウィンの名前を思い浮かべるだろう。しかし、進化論にはもう一人の立役者がいた。それが、アルフレッド・ラッセル・ウォレスである。 彼は天賦の才能を持つ研究者だったが、生家は貧しく、専門的な教育を受けたことはなかった。学者の道がはじめから閉ざされていた彼が選んだのは、ハ...
科学
I. 科学と信用

科学と信用

1最近は、科学に対する不信が広まっているようである。放射性物質によって汚染された水も適切に処理すれば安全だ、と言っても、科学者の言うことは信用できない、という反応が返ってきたりする。しかし、放射性物質が危険であるという知識も、科学者によってもたらされたものではないのか。放射性セシウムを含む水が危険で...
社会科学
小論集1

熱交換について

1  この宇宙に存在するあらゆるものは、互いに熱を交換し合っています。それがどれほど遠くにあろうとも、物理的に接触していなくとも、熱の交換を妨げることはできません。  一般的に、熱の交換は輻射という形で行われます。つまり、光が熱を伝えています。あらゆる物体は、その温度に対応した光を、常に放出し続けて...
科学
IV. 日本の平和

STAP細胞

私はSTAP細胞の発表を聞いたとき、iPS細胞があるなら、STAP細胞があってもおかしくない、と思った。細胞の万能化の仕組みはよく分かっていないので、そもそも、iPS細胞がどうして上手く行くのか誰にも分からない。だから、同じような万能化であるSTAP細胞の話が出てきても、そんなことはありえない、とは...
科学
IV. 日本の平和

人間は記号である

1人間は記号である、とパースは言った。記号と物を区別する考えが西洋にはある。しかしパースによれば、物は記号の一種でしかない。なぜかといえば、物が存在する、という考えがそもそも誤りだからである。あるものの存在を知るとき、我々は、それを何らかの感覚器官を通して知ることになる。最も分かりやすいのは目であろ...
科学記号論
II. 思想論集

捕鯨について

1国際捕鯨委員会(IWC)では、多数決をとっているそうである。反対が多数の場合、すべての加盟国の捕鯨活動は禁止され、賛成が多数の場合、捕鯨は許可される。しかし、そもそも多数決をとる必要などない。捕鯨をしたい国はすればよいし、したくない国はしなければよい。そして、捕鯨をする場合、どのような基準に則って...
思想科学