書評

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施しの経済学(グレーバー読解②)

1前回の記事を書いたあとで、グレーバーの議論は正しくはどうあるべきだったのか、を考えた。はじめに確認するのは、仕事と報酬は別のものであるということだ。仕事に対して報酬が与えられるべきだという考えは等価交換に基づくものであって、これは社会的な合意にすぎない。ゆえに現代社会のルールを超えて、我々の社会が...
世界政府経済
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デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ』を読み解く

いま、デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』を読んでいる。けっこう面白かったので、読解をしたいと思う。要約本書によればブルシット・ジョブとは、「被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある雇用の形態である。とはいえ、本人は...
世界政府社会
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改めて、ジョン・ロック『統治論』を読み解く

ジョン・ロックの『統治論』は1689年に公刊された。本書は前後編に分かれており、『統治二論』と呼ばれることもある。前半部は王権神授説の批判に当てられ、後半で社会契約の理論が展開される。本稿では主に後篇を批判的に読解する。今回参照したのは伊藤宏之訳『改訂版 全訳統治論』(八朔社、2020)である。1我...
思想政治
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ルソー『人間不平等起源論』を読み解く

今回は、ジャン=ジャック・ルソーの1755年の著作『人間不平等起源論』を読み解きます。本稿では、ルソーのもう一つの主著『社会契約論』にも言及します。『社会契約論』は1762年に発表された本で、人民主権をうたい、フランス革命に影響を与えました。参照したのは小林善彦、井上幸治訳『人間不平等起源論 社会契...
思想政治
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マルティン・ハイデガー『存在と時間』を読み解く

今日は、1927年に発表されたマルティン・ハイデガーの『存在と時間』を読み解きます。先日取り上げたマルクス・ガブリエルさんの『なぜ世界は存在しないのか』と比べると、非常に読みにくく、奇抜な術語が多い本です。できるだけわかりやすく説明したいと思います。今回参照したのは原佑、渡辺二郎訳『世界の名著62ハ...
仏教思想
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トマ・ピケティ『21世紀の資本』を読み解く

トマ・ピケティさんの『21世紀の資本』を読んだ。2014年に出版された本書は邦訳600ページに及ぶ大著だが、読み始めると意外と面白く、一気に読み通してしまった。ひとつひとつの概念を丁寧に説明して議論を組み立ててゆくので、何も知らない状態から読み始めても、すんなり読めるように工夫してある。良い本である...
経済
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マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』を読み解く

今日は、マルクス・ガブリエルさんの『なぜ世界は存在しないのか』を読み解きます。本書の続編『「私」は脳ではない』にも言及します。1本書は2013年にドイツで発表され、ポストモダンを越える新時代の思想潮流として、一躍話題になったものである。そのねらいは、科学的合理主義やポストモダン思想に抗って、ヨーロッ...
思想
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斎藤幸平『人新世の「資本論」』を読み解く

斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』を読み解きます。1本書の主題は、気候変動への対策を議論することである。国連のSDGsによって示されたように、気候変動は人類社会にとって大きな問題になっている。その問題の大きさを読者に再認識させ、かつ、既存の対策の不十分さを示すことが、第1章から第3章までの内容であ...
世界政府政治経済
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東浩紀『訂正可能性の哲学』を読み解く

先日、X(旧twitter)をはじめました。この記事は、Xでのつぶやきをまとめたものです。本稿は、表題の本を読み解き、リベラリズムを批判する内容になっています。今後しばらくは、気になる本の読解を行っていくつもりです。第一部本書は二部に分かれている。第一部ではリベラリズムについて、第二部では民主主義に...
思想政治