心の科学

心について

このHPでは、まだあまり心の話をしていなかった。人間の心について、私が知っていることを話したいと思う。 まず、心と脳の関係について考えてみたい。心と脳の間に何らかの関係があることは確かである。だが、心と脳が同じものかどうか、という質問はナンセンスである。なぜならば、脳は目で見ることができるが、心を目...
科学
仏教

三界の狂人

空海が言ったように、世間の人々はみな狂人である。それはどういうことだろうか。 因果律 簡単に言うと、仏の教えとは因果律である。これを聞くとみな、因果律くらいは知っているという顔をするのだが、全く理解できていない。世間の人は因果律というものを、物理現象を意味するものだと考えているが、それだけでなく、人...
仏教環境問題
記事紹介

私の履歴書

あまり自分語りは得意ではないのだが、この辺で一度自己紹介をしておきたい。 大学院時代 私はむかし大学で物理学をやっていた。といっても、修士号をとったあと博士課程で退学しているから、研究職だったわけではない。私が大学院で研究していたテーマは量子ホール効果であった。これがすこぶる面白く、とてつもなく美し...
記事紹介
政治

司法の問題点

最近、司法のあり方に疑問を感じるようになった。 私はもともと、法治主義には否定的である。法による支配とは暴力による支配であり、これが帝国主義を促進してきた側面もあると考えている。私はこれに代わる政治理念として、徳治主義を提案している。これについては別の記事にゆずる。 たとえば先日、爆笑問題の太田光が...
仏教政治社会
アニメーション

日本画における輪郭線

1 日本画の特徴は、輪郭線を描くことだと言われている。たとえば浮世絵のくっきりした輪郭線は、西洋の芸術に大きな影響を与えた。また鳥獣戯画に描かれた蛙や兎は、ほとんど輪郭線だけで描かれているが、非常に生き生きとして躍動感がある。 一方、西洋の絵画には輪郭線がない。なぜならば、静物画に象徴されるように、...
アニメーション文化
アジア史

熟語と近代化

日本語には熟語という漢字の使い方がある。漢字を二つ並べて、一つの意味を表現する方法である。日本語には非常に多くの熟語表現があるが、その多くが近代化の過程で作られたものと思われる。 たとえば、社会、人民、国家という言葉は、それぞれsociety, people, stateの翻訳である。これらは漢文の...
中国歴史
政治

奉行所設置の提案

現代社会の問題点は、個人の権利よりも企業の活動の方が優先されていることだと思う。これが端的に現れているのが、警察の活動である。 たとえば、企業と個人の間にトラブルが生じた場合、警察は企業の味方をせざるをえない。なぜならば、たいていの企業は弁護士と契約しており、法的な観点から警察の活動をけん制すること...
社会
経済

日本の過去と未来

1 歴史問題の整理 私はこのHPの中で、日中戦争と太平洋戦争について、何度も語り直している。この一連の戦争をどのように語れば、その本質に近づくことができるのか、試行錯誤を続けている。ここで再び問題を整理してみたい。 1.1 植民地 論点の一つ目は、ヨーロッパの植民地政策である。これは明確な侵略行為で...
歴史社会経済
IV. 恥の文化

輪廻と主体性

宿業という言葉がある。前世の行いによって、今世における自分の状況が決定される、という考えである。貧乏な人は、前世で泥棒をしたからそうなったとか、飢餓に苦しむ人は、前世で食べ物を粗末にしたのだ、とか言われる。こういった話にどんな意味があるのだろうか。 ここにあるのは絶対的な主体性である。自分が置かれて...
仏教
IV. 東京裁判とアジアの開放

インパール作戦

1.背景 インパール作戦について、少し考えてみたい。大東亜戦争末期に行われたこの作戦は、史上最悪の作戦とも呼ばれ、日本軍が無残な敗北を喫した戦闘として記憶されている。 この作戦の背景を考えてみると、たとえば、大東亜会議にチャンドラ・ボースが参加したことからも分かるように、インドの開放が大きな目標とし...
大東亜戦争歴史