文化

落合淳思『漢字の成り立ち』を読んで

合理性の罠表題の本の中で、白川静の批判が展開されており、興味を惹かれて読んでいる。まだ途中だが、気になったことを書く。第五章が白川批判に当てられているが、「問題③・古代文明の合理性」の中で、次の甲骨文が取り上げられている。眉人三千呼望<工口>方(<工口>は口の上に工という文字。部族の名前らしい)。白...
思想文化
原子力

技術の風土

先日テレビで見たのだが、福島第一原発はゼネラル・エレクトリック社が開発したものらしい。それを知って腑に落ちたことがある。技術には地域差があって、たとえば建築でいうと、ヨーロッパはレンガ造りで密閉性の高い建物が多く、日本は木造で開放的な作りのものが多い。そういうふうに、技術にも文化があるので、その土地...
原子力
思想

法治主義の限界

1法治主義とは、法によって社会秩序を実現できる、という思想であり、より積極的には、法によってのみそれが可能だ、という思想である。しかしながら法の力には限界がある。なぜならば、「嘘をついてはいけない」という法律を作ることはできないからである。法律は、すべての人間が正直であることを前提としている。という...
仏教思想社会
大東亜戦争

大東亜戦争史(3)

秀吉の唐入り文禄・慶長の役の話を聞くと、どうも不思議な感じがする。まず驚くことは日本軍の強さだが、それよりも終わり方が変だと感じる。そして、いったい何のための戦争だったのか、ということが一番の疑問として残る。秀吉が目指したのはアジアの統一であり、平和の樹立であることに疑いはない。しかしそれが意味する...
大東亜戦争歴史
ジェンダー問題

女性の権利向上のために(2)

最近はコロナに加えて、オリンピックや女性差別の問題のせいで、ますます社会がギスギスしてきたような印象がある。女性側が男性からの差別を強調することで、かえって男女間の亀裂が深まっているようにも思われる。ここで問題を少し整理してみよう。そもそも、男女は平等ではない。これは事実である。したがって、男女平等...
ジェンダー社会
大東亜戦争

大東亜戦争史(2)

西力東漸満洲の問題はロシアの東進と関わりがある。建国間もないロシアは、ヨーロッパとの貿易のために毛皮を必要としていた。彼らは毛皮を求めて東方開拓を続け、オホーツク海に到達した。そこから南下して満洲に至り、清朝と国境紛争を起こしたが、1689年にネルチンスク条約が結ばれ、両国の国境が画定した。このとき...
大東亜戦争歴史満洲
大東亜戦争

大東亜戦争史(1)

序言もとより私は歴史家ではないので、歴史を体系的に叙述する方法を知らない。しかし、これから日本人が進むべき道を指し示すために、我々がいままで辿ってきた歴史を語りなおさねばならない。人類の歴史は統合に向かう。古代の都市国家の時代から、人類は何度も社会の分裂を経験したが、その度に統一国家を生み出し、秩序...
大東亜戦争歴史
ジェンダー問題

女性の権利向上のために(1)

水子とは何か日本中いたるところに水子の供養碑が立っている。あれはたぶん流産ではなく、自分で殺した子供を祭っているのだろう。ルイス・フロイスの日本史にもあるように、日本の女は自分で産んだ赤子を殺すことがある。なぜかというと、自らの権利を守るためだろう。女性に子供を殺す権利がある場合、父系性も家父長制も...
ジェンダー社会
I. ウイルスの進化論

新型コロナ問題の最終的解決

イギリスの変異型ウイルスに対して、既存のワクチンの有効性が弱まる可能性が指摘されている。そこでアストラゼネカ等の製薬会社は、変異株に対応できるワクチンの開発を急いでいるという。これがイタチごっこになることは、冷静に考えれば分かる。ワクチンの接種者が増えるほど、ウイルスに対する淘汰圧が強まり、ワクチン...
新型ウイルス
思想

リベラリズムと議論の不毛さについて

「ネットは世の中変えないどころか、むしろ悪くしている」批評家・東浩紀が振り返る ネットコミュニティの10年—— とすると、もう我々にはネットで議論することは難しいという感じなんでしょうかいまはもう難しいですね。議論というのは本来、論点を抽出して、その勝敗を決めれば誰もが納得する結論が出るというもので...
仏教思想